読者が選ぶケータイ10大ニュース
読者が選ぶ2014年ケータイ10大ニュース
読者が選ぶ2014年ケータイ10大ニュース
【結果発表】
(2014/12/26 12:14)
12月18日~24日にかけて、読者の皆さまに選定していただいた「読者が選ぶ 2014年 ケータイ10大ニュース」の集計結果を発表いたします。編集部でノミネートした主要ニュースに対し、1人3票までの投票を受け付けたところ、3047票(1096人)が集まりました。ご協力いただき、ありがとうございます。
- 1(451票)
携帯各社が通話定額を導入、パケット通信はパック型の従量制に
- 2(450票)
SIMロックフリーの義務化、決まる
わずか1票差で2位に選ばれたのは、いよいよ来年適用されることになった「SIMロックフリーの義務化」だ。これまでもNTTドコモのAndroidスマートフォンで利用できた「SIMロックフリー化」について、総務省が義務化する方針を示した。
具体的にどのような形になるかはまだ明らかになっていないところもあるが、2015年5月以降に登場する機種は、基本的にSIMロックが解除できるようになる。購入から一定期間はロックを解除できず、ある程度期間が経てはロック解除が可能になるという形になる見込みだ。
SIMロックフリー化が進むことで、携帯電話に関する費用が割安になるのではないかという見方がある。確かに中古市場が今後さらに発展する可能性はあり、割安な価格で端末を入手できるようになる可能性はある。一方、SIMロックフリー化の背景には、今春、異常に高騰したキャッシュバックが挙げられる。このため、来年5月以降、端末価格や割引施策がどうなるのか、たとえば端末価格を実質的に割り引くサービスがどうなるかはまだ不透明だ。既に「iPhone」はSIMロックフリー版が販売されており、iPhoneにおけるキャリア版とSIMロックフリー版の価格差というのは、今後を見る1つの参考になりそうだ。
- 3(390票)
「格安スマホ」、MVNOの注目度が大幅アップ、音声通話にも対応
MVNOへの注目がぐっと盛り上がった年だった。以前は価格にシビアで、ネット/ITリテラシーの高いユーザーからという形だったが、最近はスマートフォンに関心はあったものの料金の高さに敬遠していたたシニア層が音声通話に対応したサービスが登場したこと、そして「イオンスマホ」などで手にすることも増えている。
今年は、春に消費増税もあり、日頃の生活にかかるコストにも意識が向いた。1位に選出された「新料金プラン」とあわせ、料金面をシビアに考えるユーザーがこれまで以上に増えている。その契約数は、国内市場からすると、まだわずかだが、折しも、政府が打ち出した新たな政策では、MVNOをキーに国内のモバイル市場の競争を促進しようとしている。キャリアではできない柔軟なプラン、割安なプランを、SIMロックフリー端末と組み合わせて自分に合ったスタイルで利用しやすくなってきた。実際、そうするにはまだ煩雑な面もあるが、2015年はさらにMVNOを活用するユーザーが増えることになりそうだ。
- 4(241票)
2014年春のキャッシュバック祭りが問題視
「MNPならキャッシュバック○○万円」、2014年の春商戦は、併売店だけではなく、キャリアショップを含めて、あちこちでそんなうたい文句がこだました。その費用はどこから捻出されているのか、問題ではないか、との指摘が盛り上がり、表面上、自然消滅するかのように4月以降、あまり目立たなくなったが、結果的にこの事象は「SIMロックフリー義務化」に繋がることになった。
「乞食」「養分」などの言葉も一部で用いられたが、高額なキャッシュバックはユーザーにとって公平な仕組みなのか強い疑問が向けられる一方で商慣行としての販売促進費に法律が立ち入ることの是非も議論された。春以降はなくなったとされるものの、今も一部店舗で高額なキャッシュバックの案内がある。これから春先にかけてどうなるのか。2015年に入ると、携帯電話市場の競争を促進するためMVNOへの期待がかかるが、これらの企業の多くは3大キャリアよりも“体力”が限られる。またNTTグループの光コラボレーションモデルで販売促進費がどのような展開を見せるかも未知数。「高額なキャッシュバックは2014年だけのことだった」と言えるようになるのか、まだ注目される話題になりそうだ。
- 5(208票)
iPhoneに2つのサイズ、ファブレットサイズの「6 Plus」が登場
「iPhone」シリーズが、ついに2つのサイズで展開することになった。これまでよりも大幅にサイズアップした「iPhone 6 Plus」には、好意的に受け止める声もあれば、厳しい視線を向ける人もいる。iPadシリーズとの兼ね合いもあって、どう使いこなすか、悩むファンも少なくなかっただろう。ファブレットサイズの端末は、特にアジアから支持が拡がっており、これまでAndroidばかりだったマーケットへ、iPhoneもリーチしようとした格好だ。また前年(2013年)にはカラフルな「iPhone 5c」が登場したものの、今回、その姿はなかった。来年のiPhoneがどうなるか、まだまだわからず、機能面ではAndroidの後追いと指摘する声も出てきたが、日本ではまだまだ高い人気を誇っており、iPhoneが今後どう進化するか、まだまだ大きな話題になるだろう。
- 6(185票)
ウィルコムとイー・モバイルが合併、「ワイモバイル」に
前年から合併する方針は示されていたものの、まさかのヤフーによる買収、そしてその撤回――と紆余曲折を経て、今夏、ワイモバイルが誕生した。店舗でのサポート体制を含めて、より多くのユーザーにネットデバイスやスマートフォンを提供する方針を掲げる同社。割安さでMVNOを選ぶ人が増える中、3大キャリアとMVNOの間に立たされ、ユーザー側としてはその特徴をどう捉えるべきか、まだわかりづらいところもある。ユーザーが合併効果による具体的な製品、サービスにへ本格的に触れられるのは2015年になりそう。どのような形であっと言わせてくれるのか、期待したい。
- 7(182票)
NTT東西の「光コラボ」発表、ドコモがセット割提供へ
今年2月、一部報道で話題になった「ドコモのセット割」がついに現実になろうとしている。サービス開始は2015年2月とあって、まだ具体的な姿はわからないが、多くのシェアを抱えるだけに、楽しみに待つ人もいるだろう。一方で、相当のシェアを持つドコモ、NTT東西のタッグは、通信市場の発展のためにNTTを分割・民営化した流れに逆らい、かつての巨大組織に立ち戻るのではないか、あるいはNTTグループのシェアが拡大して他社が対抗できず、競争がしぼむのではないかという声もある。短期的には、多くのユーザーにとって嬉しいサービスになりそうだが、長期的な懸念を払拭できる仕組みが整うのか、という点も実は注目すべきポイントだ。
- 8(166票)
ドコモとauがVoLTEスタート、キャリアアグリゲーションで4G本格化
2Gから3G、そしてLTEへと発展してきたモバイル通信ネットワークは今年、もう一歩、新たなステージへ踏み出した。キャリアアグリゲーションによる4Gへの本格的な対応、そして音声通話で従来より効率がよく、品質も高まるVoLTEがスタートしたのだ。ただ、これで終わりではなく、2015年もまたさらに新技術が導入され、繋がりやすさ、スピードの改善が続けられる見通し。さらには2020年の東京オリンピック・バラリンピックの時期には、もう1つ次の世代の技術が導入される、という話も聞こえるようになってきた。普段は意識することは少ないが、かつては地下鉄の駅へ向かう階段で電話が切れていたのが、今や地下鉄の駅間トンネルでも通信できる時代であり、少し前まで頻発していた通信障害もなりをひそめ、日本有数の繁華街を含めて、いつでもどこでも快適に通信できるようになってきている。こうした環境は世界的に見ても珍しく、日本ならではの状況。今年も携帯各社のインフラ担当者には感謝したい。
- 9(127票)
ZenFone 5、G2 mini、Ascend P7――割安なSIMロックフリースマホが続々登場
昨年、NECカシオとパナソニックが撤退した国内スマホ市場。MVNOが盛り上がる中、海外メーカー製の割安なSIMロックフリースマホが次々と国内でも取り扱われるようになってきた。まだ防水・防塵などの仕様は大手キャリアの製品ばかりだが、最近では国内メーカーも割安なMVNO向け機種を展開しつつある。これまでは、キャリアの割引によってハイエンドモデルばかりが受け入れられてきたが、最近ではハイエンドとミドル/ローエンドの機種が両立する格好になってきた。SIMロックフリー義務化によって2015年は、キャリアとMVNOの用意する機種は、それぞれの個性を打ち出しながら、それぞれのポジションを確立しそうだ。
- 10(107票)
PHSと携帯電話の間でMNP、10月から可能に
PHSだけが利用できなかったMNP(携帯電話番号ポータビリティ)がいよいよ2014年10月より対応することになった。携帯電話用番号の逼迫で、前年の2013年11月から070番号を使う携帯電話も登場、さらにワイモバイルの誕生でPHSだけを展開する事業者が消滅し、PHSと携帯電話を分ける状況ではなくなってきた。PHS自体は国産技術でもあり、その特徴を活かしてさまざまな場所で活躍しているシステムであり、今度も一定のニーズはありそうだが、1つの時代が終わり、新たなステージに切り替わったことを感じさせるニュースでもあった。
以下、獲得票順
(98票)携帯各社、毎月の「純増数」発表を取り止め
(96票)au網のMVNO「mineo」がついに登場
(72票)リアルで遊ぶスマホゲーム「Ingress」が話題に
(62票)ウェアラブルな「Android Wear」が登場、アップルは「Apple Watch」を予告
(58票)今年のNexusは「6」と「9」、Lollipopに進化
(49票)キャリア6社の絵文字がついに統一
(33票)リアルでおトクをアピール、au WALLETがサービス開始
(26票)「iOS 8」が登場、家電連携やヘルスケアなど新基軸
(20票)「SmartNews」「Gunosy」などニュースアプリが人気
(18票)電話、宅配、決済、クリエイターのスタンプ――LINEの新たな取り組み
(8票)「マンガボックス」「comico」「ジャンプ 」――マンガアプリが人気
2014年は、日本の携帯電話の歴史において、節目の年となった。通話定額、パック型通信料と、新たなコンセプトの料金プランが登場したのだ。
料金プランは、基本的に競争環境の中で決まっていく、ということになっているが、これまでの「通話が従量、通信が定額」から「通話が定額、通信が従量」とコンセプトががらりと変化した背景には、Webサービスをいつでもどこでも利用でき、さまざまなアプリで楽しめるスマートフォンの広がりがある。モバイルでの通信量が伸び続ける中で、必然とも言える変化だったように思える。
ただ、現在、新料金プランのみに絞っているのはNTTドコモ。競合他社は旧来のプランを引き続き契約できる形にしている。急激に新料金への移行が進んだドコモは、予想よりも厳しい業績になった。後述するように、MVNO各社が割安さで注目を集めており、オプションも多彩になってきた。新料金プランやMVNOの動きから、2015年がどうなっていくのか、まだまだ変化がありそうだ。