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200kbps/月額298円、ポイントサービスも用意した格安SIM「ロケットモバイル」

 エコノミカルは、MVNO型のモバイルデータ通信サービス「ロケットモバイル」の提供を開始した。200kbpsで月額298円(税抜、以下同)の「神プラン」のほか、1GB~7GBまでのプランを用意する。また1ポイント1円で利用できるポイントサービスも提供される。

プラン名通信容量速度料金(税抜)
神プラン200kbps298円
1GBプラン1GB下り225Mbps
上り50Mbps
590円
3GBプラン3GB840円
5GBプラン5GB1200円
7GBプラン7GB1850円
料金プランと特徴

 直近3日間の通信量が基準を超えると速度が制限されることがある。SMSオプションは150円。初期事務手数料は3000円かかる。データ通信プランに最低利用期間はなく解除料はかからない。

 通話プランは7月より提供される予定で、こちらには最低利用期間が設定される。今回、「前代未聞、空前絶後」とあおりつつも詳細は明らかにされなかったが、プレゼンテーションでは競合他社の価格が紹介され、価格面で切り込むことを示唆した。

 MVNEはソネット(So-net)となる。協力体制やサポート体制から、エコノミカルではSo-netとともにサービスを展開することになったという。

ポイントサービス

 特徴に挙げられるのがポイントサービス。これは提携企業から配信される「お手伝い案件」に応じたアクションを行うとポイントが付与されるというもの。たとえば指定されたアプリのダウンロード、アンケートへの回答、Webサービス無料会員への登録などがある。ゲームアプリのダウンロードを行うと20円~30円程度のポイントがもらえる。貯めたポイントは「ロケットモバイル」の利用料に充当できる。ポイントを獲得した日から180日かん、新たなポイントが獲得されなければポイントは消滅する。

マイページからお手伝い案件にアクセスできる

 成果報酬のような形でのポイント付与となり、各案件は、ネットワーク広告を手がける企業のASPを利用することが想定されている。その一方で、エコノミカルではできるだけ早い時期に、クラウドソーシング型の案件を導入したい考え。これは「400字程度の記事で50円」「写真1枚で100円」など、何らかのコンテンツ制作に関わるもの。「お手伝い案件」とされるのは、こうした仕組みにも由来するようで、現在クラウドソーシングを手がける事業者と協議しているとのこと。

 また自社のポイントプログラムを運営する企業にとっても相性がいい、としており、そうした企業と提携するべく交渉を進めているとのこと。

 なおポイントプログラムを導入するMVNOは、これまでにNifMoの「NifMo バリュープログラム」が存在する。

キャンペーン

 5月末までに申し込むと利用量が最大で6カ月間、毎月500円割引される。ただし神プランの割引額は298円。

 また5月下旬に開催される展示会「WIRELESS JAPAN 2016」にもブースを出展するとのことで、会場で申し込むと初期手数料3000円が割引される。

起業から6カ月でMVNOサービス

 エコノミカルは2015年12月に設立されたスタートアップ。光通信で8年ほど勤務した金野太一氏が立ち上げた独立系の企業となる。今後は10万ユーザーの獲得を目指す。

エコノミカルの金野氏
立ち上げ期のスピード感にこだわるという

 スタートアップとあって、金野氏は「ロケットモバイル」をWebサービスよりな立ち位置で運営すると説明。今回発表したプランはまずβ版とされ、小規模な形でサービスを開始し、ユーザーのニーズを把握しながら7月の本格サービスに向けて進めていく方針。「MVNOのなかには、広告を積極的に展開しているところも、ほぼ稼働していないのではというところもある。お金をかけて空中戦で広告でユーザーをとるのではなく、当社はいわばゲリラ戦。特定のユーザーから、特定のニーズを拾い上げて拡げていく」と語る。ユーザーが増えることで、通信品質、あるいは「お手伝い案件」へ影響する可能性については、ユーザーが不満を抱かないよう、その都度対応していくとした。

 収益は、通信料とポイントサービス向けの「お手伝い案件」での手数料。金野氏は「学生や主婦層と相性がいいのではないか」と同社サービスを位置付けており、ひとまずユーザー数を拡大するため収益を得たとしても、ユーザー獲得のためのコストに投資する方針。

 将来的に端末を手がける意志はあるものの、現時点で具体的な計画ないとのこと。登場当初から「格安」をうたうことで、ユーザーへのアピールを高める一方で、競合他社が価格を揃えたり、より安価なプランを提供したりしたとしても「たとえば明日、他社が(競合プランを)出してきたとしても、明後日すぐ対抗策を出すことはない。市場全体の相場観を見ながら判断していく」という。

 MVNOのなかでは後発となるロケットモバイルだが、クラウドソーシングとの組み合わせを想定したポイントサービスで差別化する一方、このタイミングで参入を決めたのは「iPhone 6s」の発売から半年が経過してSIMロックを解除できるようになったこと、あるいはMVNO各社が宣伝を行って市場が盛り上がってきていることがあると金野氏は語っていた。

関口 聖