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パナソニックがスマホ連携の“ホームセーフティ”製品群
カメラや開閉センサーなど5機種で構成
(2015/8/26 13:25)
パナソニックは、スマートフォンと連携し、カメラやセンサーで宅内・宅外の見守りや防犯に利用できる「スマ@ホーム システム」を10月15日に発売する。価格はオープン価格。
「スマ@ホーム システム」は、家庭の無線LANに接続するホームユニットのほか、屋外カメラ、屋内カメラ、開閉センサー、人感センサーの合計5機種がラインナップされる。自由に組み合わせて利用でき、セットとして「屋外カメラキット」「屋内カメラキット」も用意される。カメラなど各機器とホームユニットはDECT準拠方式で接続される。
販売予想価格は、ホームユニットが1万2000円(税抜、以下同)、屋外カメラが1万8000円、屋内カメラが1万7000円、開閉センサーが4500円、開閉センサーの2個セットが8500円、人感センサーが4000円、屋外キット(ホームユニット、屋外カメラ)が2万7000円、屋内キット(ホームユニット、屋内カメラ)が2万6000円、ホームユニットと各機器のDECTによる接続距離を延長する中継アンテナが1万2000円。
外出先のスマートフォンからは、専用アプリをインストールすることで、カメラの映像を確認したり、トランシーバー方式で通話したりできる。カメラのセンサーや開閉センサーが動きを検知すると、スマートフォンに通知することも可能。アプリはiOS、Andoridに対応する。ホームユニットにはmicroSDHCカードを装着でき、カメラで捉えた映像や音声を記録できる。
機器本体を購入し設置するだけで利用でき、クラウドサービスも利用しないため、警備会社のような月額費用をかけずに見守り機能を利用できるとアピールする。
屋外カメラは、動作検知と人感(熱)センサーを搭載。屋内カメラは動作検知と室内の温度センサー、音センサーが搭載される。どちらも赤外線による暗視機能で夜間や暗い部屋でも利用できる。動作検知は画面を32分割して設定が可能。音センサーは大きな音を検知でき、3段階で設定できる。温度センサーは、設定した温度に達すると通知するといったことが可能。またスマートフォンアプリでは、トランシーバー方式で、カメラの近くの人と会話もできる。
開閉センサーは、窓やドアなどに両面テープで接着し、開閉を検知する。ホームユニットと同時に報知音を鳴らすことが可能。
人感センサーは、室内において、赤外線による温度変化で人の動きを検知する。
開閉・人感センサーは合計で50個まで設置可能。カメラと連携することもでき、例えば人感センサーが動きを検知すると、通常は反応しない距離にあるカメラが録画を開始するといった動作も可能になっている。
ホームユニットに対し、スマートフォンは最大8台まで登録できる。ホームユニットとカメラなどの各機器との接続にはDECT準拠方式を採用、1.9GHz帯を利用することで干渉が少なく、省電力駆動も可能とする。カメラやセンサーの設置可能距離は見通しで最大100m。
電源は、ホームユニットとカメラがACアダプター。開閉センサーはリチウム電池(CR2)を使用し、電池寿命は1日10回の開閉で約1年。人感センサーは単3形アルカリ乾電池2本を使用し、電池寿命は1日50回の検知で約1年。
エアコン、インターホンとの連携も視野
26日には都内で記者向けに発表会が開催された。登壇したパナソニック コンシューマーマーケティング ジャパン本部 本部長の中島幸男氏は、共働き夫婦の増加や女性の社会進出といった背景で、留守にしがちな自宅のセキュリティに不安を抱えている人が増加していると指摘、高齢者の単身または二人暮らしの世帯も、高止まりにある傾向を示す。
一方で、セキュリティ設備の設置状況は、費用やランニングコストの高さ、設置の難しさといった理由で、3割にとどまるという。そこで、スマートフォンで確認できるなら設置するか? という調査を行うと、6割が前向きな姿勢を示し、ペットがいる家庭や要介護者がいる家庭ではさらに需要が高くなるというデータを紹介する。
「パナソニックの製品はこれまで、不審者の確認や、インターホン型で来訪者の確認といった機能が中心だった。これまでも通信機器とスマートフォンの連携を推進しており、2015年度は、ホームセーフティと見守りの両方の機能を搭載した製品を提供していく。見守りだけでなく、双方向の通話も可能。今後はほかの家電との連携も行い、次の大きな事業の柱にしていく」と中島氏は意気込みを表明。プレゼンテーションの中では、今後の事業領域の拡大として、家電コントロール、カーセーフティ、ファミリーコミュニケーション、ペットケアなども挙げられている。
パナソニック システムネットワークス コミュニケーションプロダクツ事業部 事業部長の南恭博氏からは、初期設定が簡単で、DECTによる干渉の少ない電波で安定して利用でき、定額の費用が不要という3つの特徴が紹介された。各機器の機能も紹介されたほか、人感センサーが2016年春にバージョンアップし、指定の時間にスマートフォンに通知を行う機能や、センサーが無反応の場合にも通知を行える機能の追加が明らかにされた。
南氏は、一部の海外市場で「スマ@ホーム システム」を先行して投入しているとし、水漏れセンサー、ガラス割れセンサー、スマートプラグなどをスライドで紹介しながら、センサー機器も今後拡充していく方針を示した。質疑応答の中では、すでにスマートフォンと連携する製品として販売しているインターホンとの連携も、今後検討していく方針が明らかにされた。