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メールやau IDの設定を簡単に、KDDIがブラウザでサポートする実験

 KDDIとKDDI研究所は、ブラウザを使って、遠隔サポートを実現できるか、実証実験を行い、その結果を発表した。ブラウザを使うことで、OSやデバイスに依存せずにサポート体制を提供できるようにしたもので、94%のユーザーが今後のサポートで利用意向を示したという。

 今回の実験では、KDDI研究所が2010年に開発した「ブラウザ同期技術」を用いた。これは、別々の場所にいるユーザー同士のWebブラウザの表示内容を同期させるもの。たとえばスーパーマーケットとユーザーのパソコンを同期させて、買い物しやすいよう遠隔でサポートする、といった使い方などが想定されてきたが、今回はスマートフォンの普及を受けて、問い合わせが増加し続けていることから、サポートセンターのスタッフが遠隔で支援する、という形でテストが行われた。

 実験が行われたのは、4月28日~5月20日。ブラウザ上で行うスマートフォンのメールの初期設定、迷惑メールフィルタの設定、au IDのパスワード設定で同技術を活用。全ての問い合わせのうち、実験では208件の問い合わせに対応し、そのうち95件(45.6%)がこのトライアルによる対象になったとのことで、半数近い問い合わせに対応できることがわかった。実際にサポートを受けたユーザーのうち、94%は、簡単、便利、安心といった理由から「次回も利用したい」と回答した。

 KDDIによれば、現在提供しているリモートサポートは、Androidとパソコン向け。iPhoneについてはそうしたサービスがないとのことで、サポートできる範囲がブラウザ上の操作に限られるとはいえ、今後登場する予定のFirefox OSを含め、汎用性の高さが特徴になると説明。ちなみに画面共有機能が提供される予定のVoLTEとは関わりが無い取り組みとのこと。今後、技術のさらなる向上など改良をかさねて、リモートサポートの早期実現を目指していく。

関口 聖