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エリクソンやSingTel、クアルコムがFDD/TDDのLTEでキャリアアグリゲーション

 エリクソン、シンガポールの通信事業者であるSingTel、そしてクアルコムは、FDDタイプのLTEと、TDDタイプのLTEをたばねて通信するキャリアアグリゲーションに成功したと発表した。商用の設備を使った事例として初めての成功とのことで、下りの通信速度が260Mbpsになった。

 現在主流の通信方式であるLTE方式の、さらに次のバージョンになるLTE-Advancedでは、LTEをベースにいくつかの新たな技術が採り入れられている。その1つがキャリアアグリゲーション(CA)と呼ばれる。これは複数の電波をたばねて、その分、高速かつ安定した品質で通信できるようにするもの。国内でも、たとえばauがCAの商用サービスを提供している。

 一方、LTEには、上りと下りで異なる周波数を使うFDD(周波数分割)と、今は上り通信で次は下り通信となるように時間で切り替えるTDD(時分割)という2種類がある。これまではFDDだけ、TDDだけのCAという形だったが、シンガポールで行われた実験では、FDDとTDDをたばねることにチャレンジ。クアルコム子会社のクアルコムテクノロジーズ(Qualcomm Technologies)のSnapdragon 810と、エリクソンの基地局装置とソフトウェアを組み合わせ、FDDとTDD、それぞれ20MHz幅を組み合わせ、260Mbpsという速度を記録した。

 今回の実験を踏まえて、2015年には、FTT/TDD LTEのキャリアアグリゲーション対応の商用の端末が登場する予定。

関口 聖