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KDDI、マンション向けの一括受電サービス「auエナジーサプライ」
(2014/8/27 16:35)
KDDIは、2014年9月1日より、マンション向けの一括受電サービス「auエナジーサプライ」を提供する。まずは首都圏でスタートする。マンション一棟まるごとで契約することで、各戸あるいは共有部の電気代が割引される。
「auエナジーサプライ」は、マンション向けの一括受電サービス。KDDIでは、電力小売事業への参入と位置付けている。いくつかの企業が参入している一括受電サービスでは、通常、各戸ごとに電力会社と契約しているところ、マンションまるごとで高圧電力契約を行うことで、電気料を割安にする。高圧電力契約は、オフィスビルや商業施設など大口での利用が想定されており、いわば電力のまとめ買いとして単価が一般的な家庭向け契約より安い。導入時には、マンションの管理組合で導入を決める必要があり、マンション内には専用の機材が設置される。
今回の「auエナジーサプライ」では、新築および既築のマンションを対象に、各戸の電気代を毎月、最大5%割り引くプランと、各戸の電気代はそのままで共有部の電気代を最大50%割り引くプランが用意される。割引率はマンションによって異なる。KDDI傘下であるJ:COMの子会社(KDDIの孫会社)として、一括受電サービス大手のアイピーパワーシステムズが存在しており、今回はアイピーパワーシステムズと協力してサービスを提供する。
導入するマンションの各戸には、スマートメーターが導入され、電力量を計測、KDDIのサーバーで収集する。各家庭では、スマートメーターで計測した電力使用量をリアルタイムに確認できるようになり、KDDIでは電気の使いすぎを抑える、としている。
トータルソリューション提供目指す
KDDIでは、マンション向けに電話やインターネットサービスを提供。今後も、マンション内でのWi-Fi導入や、インターホンとスマートフォンを連携させて来客をチェックできる機能など、マンション向けトータルソリューション事業を展開する考え。その一環として、一括受電サービスを今回手がけることになった。
なお、電気事業法改正で、2016年に電力事業が自由化し、各家庭ではさまざまな電力会社と契約可能になるが、KDDIでは今回の新事業はあくまで総合通信事業者としての参画であり、2016年に向けた布石ではない、と説明している。
また、J:COMでは既に一括受電サービスを展開し、J:COMのテレビサービスやインターネットサービスを契約していれば、割引率が3%アップする、というセット割が提供されている。一方、KDDIでは今のところ、セット割を提供する予定はない、としている。
通信各社では、ソフトバンクがメガソーラー事業、NTTドコモが家庭向けのHEMS(家庭向け消費電力管理システム)事業や基地局での発電などを手がけている。KDDIもメガソーラー事業を進めており、地域電力会社(現在は東京電力)に売電しているが、今回、一括受電サービスという形で個人宅であるマンション向けの事業に参入した。