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スマホ満足度調査、総合でソフトバンクが1位に

 インプレスビジネスメディアのシンクタンク部門であるインターネットメディア総合研究所は、「スマートフォンユーザー満足度調査2013」の結果を発表した。

 本調査は、NTTドコモ、au、ソフトバンクのスマートフォンのユーザーを対象に各1000人、合計3000人にアンケートをとり、主に利用しているスマートフォンについて、「総合満足度」や「本体」など、5項目についての満足度を尋ねた。調査期間は2013年9月9日~9月13日の5日間。それぞれの結果は以下のとおり。

総合満足度トップはソフトバンク

 利用しているスマートフォンの総合満足度は、ソフトバンクが54.1%でトップとなり、以下、auが46.9%、NTTドコモが43.8%という順になった。項目別の評価では、「本体」「月々の料金」「独自サービス」でソフトバンクが1位、「ネットワーク」「サポート・アフターケア」はNTTドコモが1位となった。ただし、「ネットワーク」についてはLTEに限定した場合は、ソフトバンクが1位となった。一方、3キャリア平均で59.4%と高い満足度の「本体」に対し、「ネットワーク」「サポート・アフターケア」「独自サービス」の満足度は3割程度、「月々の料金」は16.9%と低い。

キャリア別 スマートフォンユーザーの総合満足度(インターネットメディア総合研究所調査)

 スマートフォンを利用する上で重要と思う項目では、「月々の料金」は92.5%、「本体」は89.3%、「ネットワーク」は87.9%と、いずれも9割程度のユーザーが重要視しているのに対し、「サポート・アフターケア」は68.5%、「独自サービス」は46.6%にとどまっており、差が見られた。満足度と合わせて見ると、ほとんどのユーザーが「ネットワーク」を重要と感じているが、その満足度は3割程度と高くなく、増大するデータ通信量に対し、ネットワークの整備がユーザーニーズに追いつかない状況がうかがえる。

スマートフォンを利用する上で重要と思う項目(インターネットメディア総合研究所調査)

ソフトバンクがiPhoneに牽引され「本体」の満足度で他社を圧倒

 ソフトバンクは「本体」(71.6%)、「月々の料金」(19.9%)の項目でトップとなり、また、「ネットワーク」は最下位であるものの各キャリアの競争が激化している「LTEネットワーク」(38.2%)に限定した場合はトップであった。これらの項目は、ユーザーがスマートフォンを利用する上で重要と感じている項目であり、その結果、総合満足度トップにつながっていると想定される。

 特に、「本体」については、iPhoneユーザーの「本体」に対する満足度が89.4%と極めて高く、iPhoneユーザーのシェアの高さに牽引され、ソフトバンクが他社を引き離す格好となったといえる。また、LTEネットワークについては、LTEエリアの広さに対する評価はNTTドコモを下回るが、通信速度やつながりやすさ、通信の安定性の評価が他社を上回っている

スマートフォン別 「本体」に対する満足度(インターネットメディア総合研究所調査)

 auは46.9%で総合満足度2位となった。「本体」「月々の料金」「ネットワーク」「サポート・アフターサービス」で2位となりバランスよく評価されているものの、他社を上回り1位を獲得した項目はなく、これといった強みを打ち出せていない。また、LTEに対する評価は苦戦を強いられており、LTEネットワークに対してはいずれの項目も他社を下回る結果となった。しかしながら、iPhone 5s/iPhone 5cではこれまで対応していなかった、電波が届きやすいと言われる「プラチナバンド」のLTEに対応する。その他、「独自サービス」の中のデジタルコンテンツについては、auスマートパスを展開しているauが他社より高評価を得ている。独自サービスでの差別化や、iPhone 5s/iPhone 5cでの優位を謳う800MHz帯の周波数の利用により、今後、巻き返すことができるか注目される。

ドコモは従来から定評のある「ネットワーク」「サポート・アフターサービス」で1位を獲得した。しかし、「ネットワーク」については、3Gも含めた総合的な評価は得られているものの、LTEに限定した場合は、LTEの通信速度やつながりやすさ、安定性といった点で高評価を得られておらず、ソフトバンクに差を付けられている。また、調査時点では「本体」に対する満足度が高いiPhoneを取り扱っていないため、「本体」に対する満足度は他キャリアから大きく引き離されている。しかし、ドコモもiPhone 5s/iPhone 5cの取り扱いを開始することで、端末に対するユーザーの選択の幅も広がる。サービスエリアの広さとブランド力を合わせることで、iPhoneを軸に先行する2社を追撃できるか、その動向が関心を集めている。

キャリア別 スマートフォンユーザーの項目別満足度(インターネットメディア総合研究所調査)

川崎 絵美