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auの新戦略発表、使いこなすをサポートするキャリアへ

 KDDIは5月20日、2013年夏モデルの新製品発表会を開催した。この中でKDDIの代表取締役社長の田中孝司氏は、auの新たな戦略に言及した。

KDDIの田中氏

 昨年auは、同社の掲げる「3M戦略」として、スマートパスポート構想を打ち出した。これは、au IDを軸に、ネットサービスやさまざまな端末が連携するというものだ。あれから1年、田中氏はauが次に目指す方向性について、「革新のブランドでありながら顧客視点のブランド」とした。

 auのスマートフォンの普及率は5割を超えた。田中氏は、「スマートフォンが“欲しい”から、スマートフォンで“何かがやりたい”に。使いたい人への提案から、できることを提案する。auは使いこなすをサポートするキャリアになりたい。画面の中に閉じた情報端末ではなく、買い物や電車レジャーなどをスマホがサポートしてくれるような、スマートフォンが生活と繋がっていく可能性を少しずつ現実にする」などと話した。KDDIは今夏、3M戦略の第2弾となる「スマートリレーションズ構想」を打ち出し、スマートフォンとリアルな生活の連携強化を図っていく方針だ。

新モデル

 auの夏のスマートフォンは、「Xperia UL」「HTC J One」「URBANO」「AQUOS PHONE SERIE」の4モデル。田中氏は「“使いこなす”にこだわった厳選したラインナップ」とした。

 4モデルはいずれもLTEサービス「4G LTE」に対応する。これまでauでは、2GHzをiPhone向けLTEサービスに提供しており、残る新800MHz帯と1.5GHz帯をAndroid向けのLTEサービスに振り向けていた。夏モデルでは、新800MHzと1.5GHz帯に加えて、2GHzも利用できるトライバンド仕様となる。

 auは、昨年来「あたらしい自由」を打ち出し、さまざまなユーザーニーズに応えていく姿勢を見せた。今回の発表会でも、スマートフォンの利用率が50%を超えたことがことが明かされ、依然としてスマートフォンは好調だ。

 しかし、夏の発表モデルは4モデルと少ない。質疑応答において端末数を絞った理由を問うと、田中氏は、夏の商戦期はボーナスシーズンでも以前のように端末が売れないとし、「多様な機種を望むのは年末と春の商戦」と説明した。

 また、ソフトバンク、NTTドコモと今夏のモデルにはフルセグ視聴対応モデルが並ぶが、auにはフルセグモデルはなく、周辺アクセサリーとして投入するに留まる。この点を田中氏は、「スマホの使いやすさを大事にしている。スマホを買う時代から、スマホを使う時代にしっかり訴求していきたい」と話した。

auスマートパスを刷新、第三のスマートサービス

 auのスマートパスは、スマートフォン時代の新たなauのポータルとなるものだ。昨年のスタート開始からすでに600万加入を突破しており、auのサービスとしては最速で600万契約を超えたサービスでもある。

 6月6日のリニューアルによって、「Simple & Lucky」をコンセプトに、生活情報系のコンテンツやクーポンなどが拡充する。新ポータルでは、情報をタイムライン形式で表示する。

 さらに、有料型のユーザーサポートサービス「auスマートサポート」も6月6日よりスタートし、スマートフォンに不慣れなユーザーの取り込みを図っていく考えだ。

 田中氏は、「“欲しい”ではなく、“使いこなす”キャリアにということで、リアルな世界を楽しんで欲しい」と話した。

剛力ときゃりーぱみゅぱみゅ登場

 発表会では、ゲストトークに長い時間が割かれた。テレビCMに起用されている剛力彩芽のほか、新CMに登場するきゃりーぱみゅぱみゅが登場した。きゃりーぱみゅぱみゅは、auに“乗りかえる”ということで、カエルのキャラクターと共に出演するという。CMは6月から順次放送される予定。

きゃりーぱみゅぱみゅと剛力彩芽

津田 啓夢