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スマホでホテルにセルフチェックイン、日本NCRが新製品を披露
(2013/4/24 19:56)
日本NCRは、セルフレジの新製品や金融機関向けのソリューションを発表し、同時に事業戦略説明会を開催した。
24日に発表された新製品はモバイル端末と直接連携するものではなかったが、事業戦略説明会では今後日本でも展開を予定している新製品として、スマートフォンと連携しホテルのチェックインを簡単にする端末や、現金引き出しのみでスマートフォンと連携できるキャッシュディスペンサー(CD)などが紹介され、開発中の製品で動作の様子も披露された。また、セルフレジでは将来的な展開として、スマートフォンで商品を読み取り、清算を簡単にするといったソリューションも紹介された。
NCRはグローバルでレジやATM、ホテル・空港向け端末などを展開する企業だが、日本NCRはこれまで、日本市場向けに柔軟にカスタマイズした展開を行なってきた。一方、今回新製品として日本向けに発表された有人・無人のどちらにも対応するセルフレジなどは、グローバル市場で展開・導入が始まっている製品で、今後はこうした世界の市場で重視されている製品を積極的に日本に導入するといったことも行っていくという。
セルフレジ自体は日本市場で展開を開始してから10年が経過しているとのことで、店舗側と共同で最適化やカスタマイズを続けてきた。いずれも店舗全体を無人化するためのソリューションではなく、ユーザー(店舗に訪れる客)ができる部分はユーザーに任せ、それ以外の店舗サービスをより充実させることを目的としている。また、セルフレジを応用した製品として、税金や電気、ガスなど税公金のセルフ収納機もソリューションとして展開する予定。
大型スーパーなどにおけるセルフレジは、購入点数が少ないユーザーに特に支持されているとのことだが、今後の展開については、スマートフォンと連携した「Mobile SCO」を検討している。これは、カゴに入れた購入したい商品をスマートフォンのカメラでスキャンし、セルフレジでスマートフォンをかざせば清算ができるというもの。レジでのスキャンが不要になり、よりすばやく清算が可能になるという。
また、セルフレジを利用するユーザーの問い合わせなどに答える窓口用の端末もタブレット端末などにし、実際に店内を移動できるようにして機動性を高めるといったソリューションも示された。
スマホでチェックイン「NCR Express Key」は一部ホテルに導入予定
同社は流通、金融、トラベル(ホテル・空港)という大きく3つの分野で製品を展開しているが、ホテル向けとして提供するのが「NCR Express Key」。2013年2月に発表された端末で、2013年中には日本の一部のホテルに導入される見込みとなっている。24日の説明会では開発中の製品が展示され、動作する様子が確認できた。
「NCR Express Key」は、ユーザーが予約の際に予め受け取ったQRコードをかざせば、自動的に部屋のカードキーが排出されるというもの。事前に支払いが済んでいる場合は、フロントで宿泊者登録をするだけでホテルを利用できる。日本の法律の関係上、ホテルのフロントを無人化することはできないが、ネット予約したユーザーへの対応についてはホテル側のコスト削減が見込めるという。
スマホで簡単に現金を引き出せるCDシステム
このほか、金融業界向けには、現金の引き出しのみに特化したキャッシュディスペンサー(CD)を展開する予定。スマートフォンとの連携機能を備えているのが特徴で、スマートフォンのアプリで銀行口座からの引き出し額を指定した後、CDに表示されるQRコードをスマートフォンで読み取れば、すぐにCDから現金を引き出せる。
スマートフォンと連携するシステムについては、専用のCDである必要はなく、銀行側のシステムを改修すれば既存のATMでも対応できる。同社では、スマートフォンと連携し簡単に現金の引き出しを行えるシステムを提供し、その展開のバリエーションとして現金引き出し専用のCDも提案していく構え。