富士キメラ、スマホやタブレット関連ビジネスを調査


 富士キメラ総研は、スマートフォンとタブレット端末、その関連ビジネスの国内市場を調査し、「2012 スマートフォンビジネス総調査」としてまとめた。

 調査は、3~5月にかけて、富士キメラ総研専門調査員による企業への直接取材を基本としたヒアリング調査および関連情報の収集分析という形で実施された。

国内携帯サービス

 国内携帯電話サービスの契約数は2011年度、音声通話端末が1億1334万件、データカード系が845万件、通信モジュール系が642万件となり、合計で1億2821万件となった。音声通話端末のうち、スマートフォンは2683万件で、データカード系のうち、タブレット端末は100万件となった。

 富士キメラ総研では、契約数全体のうち約9割が個人契約で、その大半が音声通話端末で飽和状態にあるとしている。また、2016年度末には、音声通話端末が1億1950万件(伸長率105.4%)で、このうちスマートフォンは9500万件(354.1%)、データカード系は1960万件(232%)で、このうちタブレット端末は480万件、通信モジュール系は1835万件(285.8%)と予測している。

2013年度、スマホ契約数がフィーチャーフォンを超える

 音声端末について富士キメラ総研は、2013年度末にもスマートフォンの契約数が6000万件に達し、フィーチャーフォンの契約数(5690万件)を上回るとする。また、タブレット端末は、個人法人ともに毎月のコスト負担に抵抗感が強く、携帯回線を内蔵したものより、Wi-Fiモデルが中心となっている。その一方、ノートパソコンの置き換えとして法人分野では一定の需要があるとしている。

アプリ配信市場、コンテンツ

 アプリケーションストアについては、2011年度の市場規模は440億円とされ、課金収入が90%を以上を占めているという。2012年度は前年比2.8倍の1245億円が見込まれ、2016年度には5170億円市場になる見通し。

 富士キメラ総研では、スマートフォンは無料アプリが多く、月額課金が浸透していないために、平均課金額はフィーチャーフォンよりも低いとしている。その一方、ビジネスツールやユーティリティなどへのニーズは高く、コンテンツの利用機会は増えており、将来的にはユーザー課金額の上昇が期待されるとしている。

 このほか、スマートフォンやタブレット向けの映像/音楽配信サービス、ゲームや電子書籍、地図/ナビサービスについては、2011年度836億円市場となった。映像や電子書籍配信サービスなどの成長が見込まれ、2016年度には7707億円に達する見込み。組込機器やモバイルの各種ソリューション、広告といった関連ビジネスは、2011年度の1274億円から、2016年度には4618億円市場に拡大するとされた。

 




(津田 啓夢)

2012/7/20 15:30