ICT総研が首都圏でつながりやすさなどを実測調査、auが好成績


 ICT総研は、首都圏や近郊を中心にスマートフォンのつながりやすさ、切れにくさに関する実測調査を実施し、結果を明らかにした。

 調査はNTTドコモ(Xperia acro HD)、au(iPhone 4S)、ソフトバンクモバイル(iPhone 4S)、イー・モバイル(Dell Streak Pro)を対象に、屋外を走る電車での移動中、高速道路での移動中、都心のビルの地下にある飲食店という、大きく3つのケースで調査が行われた。なお、電車移動中の切れにくさに関する調査のうち、山手線と近郊3路線(東海道線、中央線、宇都宮線)では、混雑時の切れにくさを調査するため、17時~21時に調査が行われている。

 結果をキャリア別にみると、auは、音声通話において、電車および高速道路での移動中に最も切れにくいという結果となった。接続に成功していた時間の割合は、混雑時の山手線・近郊3路線、新幹線ともに4キャリア中トップの成績を残した。高速道路移動中も高い数値を記録し、全体的に移動中に音声通話がほぼ途切れない状況になっている。

 データ通信は路線により結果が別れ、混雑時の山手線・近郊3路線ではイー・モバイルが最も切れにくい結果となり、高速道路ではドコモやauが安定した結果を残した。

 NTTドコモは、電車、高速道路、ビル地下喫茶店といずれもauに肉薄する結果を残している。特に高速道路移動中の音声通話では、首都高、東北道、中央道、東名において、4キャリアで唯一、接続成功時間割合が100%を記録している。一方、電車移動中は新幹線、近郊3路線で強みを見せるものの、混雑時の山手線におけるデータ通信では、トラフィックが集中する渋谷、新宿、池袋エリアで接続成功時間割合が75.4%と苦戦している。

 ソフトバンクモバイルはau、ドコモに及ばなかったものの、大きく離されることはなく、音声通話において電車移動中の接続成功時間割合は高い結果を残している。データ通信は混雑時の山手線でドコモ、auの凌ぐ結果になったものの、電車・高速道路ともに郊外で電波状況が悪い傾向が見られた。

 イー・モバイルは郊外やビル地下でふるわず、新幹線や高速道路の山岳部で接続できないケースが多かった。一方、データ通信は山手線でトップとなり、都心部で安定した結果を残している。


出典:ICT総研

 

 ユーザーのニーズが高いとするビル地下の飲食店の調査では、接続成功率について、音声通話で99.3%、データ通信が96%と、auが僅差でトップになった。また、ドコモも肉薄する形で続いた。大規模なビルでは安定して接続でき4キャリアに差が見られなかったものの、小規模なビルではデータ通信の電波が弱くなる傾向があり、キャリアによる差が開く結果となった。


出典:ICT総研

 

 




(太田 亮三)

2012/5/28 13:20