100万加入を目指すNOTTV、対応端末を続々投入

写真左から小牧氏、二木氏、丸山氏

7時間の生番組にチャレンジする出演者ら

　mmbiは、4月1日に開局するモバイル向け放送局「NOTTV」（ノッティーヴィー）の発表会を開催した。昨年11月に利用料（月額420円）や技術面については発表しており、今回は対応端末と番組編成の発表となった。

　「NOTTV」は、スマートフォンなどのモバイル端末でテレビのような放送コンテンツが楽しめる「モバキャス」向けのサービス。利用料は月額420円で、生番組などの一部はプレミアム料金での配信が予定されている。初回利用から30日間は無料で利用可能で、加入者にはNOTTVオリジナルイヤホンなどがプレゼントされる。

■二木氏、2012年中に100万加入目指す

　mmbiの代表取締役社長の二木治成氏は、NOTTVは、スマートフォン向け放送局であるとし、その番組コンテンツについて「どこよりも誰よりも早く知れる」と説明した。また、安心安全対策として、緊急地震速報機能に対応し、ニュースチャンネルで詳細を確認したり、蓄積型コンテンツで災害情報などが受けられるとした。

　NOTTVは3チャンネル構成で、24時間放送の1チャンネル、20時間放送と蓄積型コンテンツを配信する2チャンネル、そして、3チャンネルは24時間のニュース番組となっている。

　番組エリアは、4月時点では南関東と愛知、三重、大阪、京都、兵庫、滋賀、奈良、福岡、沖縄となり、以後、全国に拡大していく。屋内での利用については現在調査中とした。

　二木氏は、2012年度に100万契約を目指すとした。2015年には600万加入を獲得し、黒字展開を図っていきたい考えだ。また、囲み取材の中では、「観たいと思ってくれるような面白いコンテンツを配信しなければいけない」と何度も語っていた。

■疑似放送ではなく放送

　mmbiの常務取締役である小牧次郎氏は番組編成などについて発表した。小牧氏は、「NOTTVで何を放送するべきか？　意味のあるものはなんなのか？」と問いかけ、自らそれをライブ放送であるとした。

　ニコニコ生放送やUstream、YouTubeなどの動画配信サービスでも生中継を展開しているが、それにについては「リアルタイムの疑似放送」であるとし、回線の混雑によっては視聴できず、輻輳を引き起こす可能性も指摘、NOTTVは地上波放送であるため輻輳の心配がないとアピールした。小牧氏は「NOTTVの強みはライブ、番組全体の半分以上が中継になる。テレビ中継の概念を変える」とした。

　また、スマートフォンでニュースをチェックする場合、たいていはテキストでニュースがやりとりされるが、NOTTVならば映像でニュースがチェックできるとした。さらに、今後地上波テレビ放送と連携し、テレビを見ながらNOTTVを視聴するといったダブルスクリーンによるコンテンツなども視野に展開されるという。

　災害対策については、NOTTVは放送であり、電波が届けば必ず見られるとし、緊急地震速報は2秒で端末に届くなどと説明した。大災害時には、ノースクランブル放送（無料放送）に切り替わり、情報を配信される。

　小牧氏によると、ユーザー1人あたりの視聴時間などは想定していないという。7時間の長尺番組を帯番組として放送するが、まとまった視聴でも細切れ視聴でも視聴に耐えられるとした。また、囲み取材の中では、ビデオ・オンデマンドの動画サービス事業者は競合ではないと語り、プル型の動画サービスとは異なる利用スタイルとした。

　小牧氏はプレゼンテーションの最後に、月額420円という利用料について、「コンテンツ側にいた人間からすると安い。反省している」などと話した。

■2012年上期にさらに5モデル投入

　NTTドコモのプロダクト部長である丸山誠治氏は、発表された2モデル「AQUOS PHONE SH-06D」と、「MEDIAS TAB N-06D」について説明。NOTTVについては、「通信と放送が連携するサービス。ケータイの新たな可能性とさらなる魅力を体感できる」と話した。

　また、今回発表されたのは、スマートフォンとタブレットで合計2モデルとなったが、2012年上期までに5モデルが追加される予定。ドコモでは、下期にはさらに対応端末を拡充する見込みだ。丸山氏は、囲み取材の中でNOTTV対応端末の想定出荷数を年間で300万台と語った。100万加入を見込むmmbiの数字から考えれば、対応端末購入者の1/3が加入することになる。

　このほかmmbiの二木氏は、NOTTV対応スマートフォンで受信した映像をWi-Fiを利用してさまざまな端末に転送したり、ルーター型の受信機などを利用してカーナビなどへ転送する計画などが語られた。