自宅のストレージをクラウド化「Pogoplug Mobile」が発売に


「Pogoplug Mobile」

 米クラウドエンジンズとソフトバンクBBは、接続したストレージをクラウドサービスとして利用できる「Pogoplug Mobile」(ポゴプラグ モバイル)を2月3日に発売する。価格はオープン価格で、ソフトバンクBBの運営するオンラインショップでの価格は7980円。「Pogoplug Mobile」はストレージを内蔵しないタイプで、利用には別途USB接続のストレージやSDカードが必要になる。

 今回発売される「Pogoplug Mobile」は、自宅にある写真や動画、文書ファイルといったデータに、外出先からアクセスできるようにする製品。日本では2011年2月に「Pogoplug」として発売されていた製品の後継モデルに位置付けられる。今回は「Softbank SELECTION」のラインナップとして販売され、全国の量販店や「Softbank SELECTION」取扱店、オンラインショップなどで取り扱われる。

 従来製品と比較して40%小型化された。また、内蔵ソフトウェアが刷新され、動作は80%の高速化が実現されているという。加えて、30もの機能・サービスが追加され、この一部は従来製品での利用にも適用される。

 USBポートが1つ用意されており、ここにUSBメモリやUSB接続のハードディスクを装着して利用する。同様に、ストレージとして利用するためのSDHCカードスロットも用意されている。対応するフォーマット形式は、NTFS、FAT、HFS+、EXT2、EXT3。ギガビットイーサネット対応の有線LANポートを利用し、家庭内のルーターに接続することでNASとして機能し、外出先からもアクセスできる“パーソナルクラウド”として利用できる。パソコンやスマートフォンからバックアップとして保存されたコンテンツは、日付順など自動的に整理され、動画はストリーミングも可能になっている。


SDHC対応のカードスロット背面にはUSBとギガビットイーサネット

 

 「Pogoplug Mobile」に保存されているデータには、ブラウザを利用してアクセスできる。ファイル単位、フォルダ単位で指定して共有することも可能で、その場合はEメールのほか、Twitter、FacebookといったSNSを通じて共有・公開することもできる。また、プライベートシェアリング機能として、パスワードで保護した上で、特定の人とコンテンツを共有できる機能も用意されている。パソコン側の対応OSは、Windows XP/7。Mac OS X 10.6.6~。

 iPhone、iPad、Android端末については無料のアプリが用意されており、自動的に端末内のコンテンツを「Pogoplug Mobile」にバックアップしたり、閲覧・共有したりできる。スマートフォンの対応OSは、iOS 4.3以上、Android 2.2以上で、Android 4.0は最適化を行っている最中としている。どのキャリアの端末からでもアクセスできるが、動作保証はソフトバンクモバイルの端末のみとなる。


機器購入無しで利用を開始できる「Pogoplug Cloud」も

 クラウドエンジンズはまた、日本市場向けに、パーソナルクラウドサービス「Pogoplug Cloud」の提供も開始した。これは、「Pogoplug Mobile」など同社の製品を購入しなくても利用を開始できるサービスで、無料のアカウントで5GBの容量が提供される。また、容量30GBのプランは月額300円、50GBが月額500円、100GBが月額900円となっている。なお、「Pogoplug Cloud」のストレージは、米Amazonのクラウドストレージサービスが利用される。

 2012年3月31日までに「Pogoplug Mobile」を購入し会員登録したユーザーには、1年間、無料で15GBの容量が追加(合計20GB)される。有料サービスを利用している場合は、無料の容量追加は行えない。

 また、「Pogoplug Cloud」を利用している場合、自宅にある「Pogoplug Mobile」などにブラウザでアクセスすると、同じ画面で「Pogoplug Cloud」のデータにもアクセスできるようになる。これにより、自宅のストレージ、およびオンライン上のサーバーに保存されているデータを、シームレスに利用できるようになっている。


「Pogoplug」最新モデルとクラウドサービスを日本市場に投入

ソフトバンクBB 執行役員 SoftBank SELECTION事業推進本部 本部長の倉光哲男氏

 31日には記者向けに発表会が開催され、担当者から製品が解説された。ソフトバンクBB 執行役員 SoftBank SELECTION事業推進本部 本部長の倉光哲男氏は、「クラウドエンジンズとは今後、戦略的な提携を踏まえて、一緒に取り組んでいく」と語り、従来より一歩進んだ関係になっていることを示した。倉光氏はその第1弾となる「Pogoplug Mobile」を「待ちに待った製品だ」と紹介し、発売日や直販価格を発表。「スマートフォンユーザーは、意外と外部メモリへの注目・ニーズが高い。今回はスマートフォンとの親和性にこだわった。アップロードも速くなり、製品として良いものになった」と自信や期待を語った。


2月3日に発売、直販価格は7980円スマートフォンからの利用も想定されている

 

クラウドエンジンズ 最高経営責任者のダニエル・プッターマン氏

 クラウドエンジンズ 最高経営責任者のダニエル・プッターマン氏は、2011年2月に日本市場向けとして発表した「Pogoplug」から始まる展開や今回の発表を、日本市場向けの長期的な取り組みであると強調。世界市場での展開については、全世界での販売台数が100万台に上っているとし、販売店舗も全世界で1万店舗に上ることを明らかにした。

 「Pogoplug Mobile」については「次世代の製品」と自信を見せ、小型化や動作の高速化をアピールした。デモンストレーションとしては、サンフランシスコにある同氏の自宅の「Pogoplug Mobile」にiPhoneでアクセスし、HD動画をストリーミングで再生する様子が披露された。

 同氏はまた、日本市場向けに「Pogoplug Cloud」の提供が開始されたことを明らかにし、詳細を解説。自宅のデータをクラウド化する「Pogoplug」と組み合わせる「ハイブリッド・クラウド」として同社の取り組みを紹介した。

 なお、「Pogoplug Mobile」でUSBポートが1つと、従来製品より少なくなっている点について質問されると、「USBは1つしか繋げていない人が多かった。それ以上に望まれていたのが、小型化することだった」と説明。また、「Pogoplug Cloud」の容量追加のバリエーションについては、今後拡充していく方針を示している。


40%小型化し、80%高速化したとアピールデモンストレーションでは、iPhoneからサンフランシスコにある「Pogoplug Mobile」にアクセスし動画をストリーミング再生
保存されているコンテンツについては、ワンクリックでTwitterなどSNSで共有できる機能も「Pogoplug Cloud」を利用しているとUIの左ペインに名前が追加され、シームレスにアクセスできる

会場の展示


プレゼンテーション

 

【訂正】
 「Pogoplug」の従来製品について、ハードディスク内蔵型という旨の記述は誤りでした。お詫びして訂正いたします。

 




(太田 亮三)

2012/1/31 18:04