富士通、スマホ新ブランド「ARROWS」発表


 富士通は21日、スマートフォンおよびタブレットの新ブランド「ARROWS」(アローズ)を正式に発表した。10月中旬発売予定のNTTドコモ向けタブレット「ARROWS Tab LTE F-01D」を皮切りに、今後は同ブランドのもとで製品を展開していく。

 イメージキャラクターにダンスユニット「EXILE」と俳優の高良(こうら)健吾さんを起用することもあわせて発表。当日の記者発表会には高良さんが出席し、CM撮影の裏話などが紹介された。

 

「ARROWS」が富士通製スマートフォンの統一ブランドに

富士通 執行役員副社長の佐相秀幸氏

 記者発表会の冒頭、主催者を代表して挨拶を行った富士通 執行役員副社長の佐相秀幸氏は関係者への謝意をまず表明。その上で「スマートフォンの需要は2011年度で1986万台、2015年度には3056万台にまで拡大すると予測されている。弊社としてもお客様の需要に対応すべく、開発体制の変更、リソースの見直しなどを行った。その第1弾となるのがARROWS Tab」と新機種の位置づけを説明した。また、兵庫県明石市にある自社工場で製造することで、“メイドインジャパン”にこだわったとも語っていた。

 続いて、執行役員常務の大谷信雄氏からは新ブランド制定についての狙いが説明された。ARROWSは富士通製スマートフォン全体のブランドとして活用する計画で、大谷氏は「市場を見回してみると、サムスンのGALAXY、ソニー(・エリクソン)のXPERIAのように、ブランドを中心とした展開がなされている。このような状況で富士通はどうするのかとお客様からも多数お問い合わせをいただいたが、検討を重ね、“ARROWS”という名称を活用することにした」と語る。

 ARROWSの意味は、英語でいう弓矢の矢そのもので、大谷氏は命名について「ARROWSが市場をリードする存在となり、スピード感や先進性に加え、今後のスマートフォン市場における方向性を示す矢印になってほしいという気持ちを込めた」と解説した。


富士通 執行役員常務の大谷信雄氏「ARROWS」ブランドに込められたコンセプト

 また、このイメージを体現するイメージキャラクターも起用。「先進性やスピード感というキーワードから、迷いなくEXILEの起用を決めた」と大谷氏は明かす。EXILEは東日本大震災の復興支援に向けた取り組みも行っており、富士通としても協力していきたいという。CM撮影もすでに行われており、記者発表の会場ではEXILEのメンバーであるHIRO、MAKIDAI、TAKAHIROの3人によるビデオレターを放映。「ARROWSが日本発、最先端のスマートフォンのブランドになるために、応援していきたい」とのメッセージが寄せられた。

 EXILEがARROWS全体のイメージキャラクターとして起用された一方、au向け製品は三浦春馬、NTTドコモ向け製品には高良健吾を起用する。


EXILEの3人がビデオレターを寄せたイメージキャラクターとしてEXILE、三浦春馬、高良健吾を並行起用する

 

手書き入力の快適さに驚く高良、雑誌原稿の執筆にも?!

 記者発表会の後半では、高良健吾がARROWS Tab LTE F-01Dを手に登場。トークセッションを行った。

高良(こうら)健吾

 高良は、ARROWS Tabを触った感想について、2時間の映画を約3分でダウンロードできるという「Xi」(クロッシィ)ならではの高速接続性に加え、「僕はもともと映画が好きなのですが、中でも音が重要だと思っています。ARROWS Tabはフロントスピーカーなので音が非常にいいです」とコメント。風呂場などで便利というハンドジェスチャーコントロール機能にも言及し、「使いやすい、扱いやすい端末です」と、その魅力をアピールした。

 また、高良さがARROWS Tabで一番驚いた機能は手書き入力だという。「ARROWS Tabは手書き入力エリアが2つあり、書いたあと読み込み(文字認識)を待たずに手紙感覚で書いていけるので、皆さんもぜひ手書き機能を使ってみて欲しい」と勧めた。高良自身が担当しているは雑誌連載記事の執筆にもARROWS Tabを活用する計画も同時に示していた。

 CMは現在撮影を行っている途中で、監督と相談しながらさまざまなアイデアを試しているという。中にはバスタブを使った撮影シーンもあるとのことで、記者発表の会場ではメイキング映像としてその一部が披露されていた。


真剣な表情で質問に回答CMのメイキング映像も公開された

 高良は、ARROWS Tabの購入を検討している人向けへのメッセージとして「僕はARROWS Tabに(一足早く)触れたことで、その良さが分かりました。やはり皆さんにも、実際に手にとって、触ってみていただいて、良さを感じてもらいたい。そのためにも宣伝を頑張っていきたいです」と語り、積極的なタッチ&トライを呼びかけた。

 

家族みんなで使えるARROWS Tab、便利機能を多数搭載

 このほか記者発表会では、ARROWS Tabにプリイントールアプリを供給するメーカーの代表としてNTTぷらら 取締役営業本部長の沼尻孝氏が登壇。光ファイバー回線向けに加えて「Xi」などモバイル回線向けにもサービス拡張を図っている「ひかりTV」の概要が語られた。

 また、富士通のモバイルフォン事業本部長である高田克美氏からはARROWS Tabの機能に関するプレゼンテーションが行われた。高田氏は「タブレットの使われ方は人それぞれで、映像やゲームだけでなく、仕事であったり、趣味であったり、あるいは家族みんなでパソコン代わりに使ったりすることが考えられる。一人一人違うニーズに(単一機種で)どう応えるかを考えた」と、その商品化の背景を提示した。


NTTぷらら 取締役営業本部長の沼尻孝氏富士通 モバイルフォン事業本部長の高田克美氏

 実際の製品開発にあたっては、高性能CPUの採用やXi対応による回線の高速化など、基本性能を充実させる一方、使いやすさにも配慮。単に防水仕様を実現しただけでなく、画面や指が水に濡れた状態でも快適に操作できるハンドジェスチャーコントロール機能をさらに盛り込んだ。

 加えて、家族全員で使えるタブレットであることも重視。両手持ちした状態での入力に便利なセパレート式のQWERTYキーボードに加え、携帯電話風のテンキー入力、ひらがなの50音配列モードなども用意した。

 手書き入力では単なる字形認識だけでなく、文脈も考慮することで変換精度を高めた。壇上では、殴り書きでも十分な認識精度を確保していることをデモンストレーションした。また、テンキー入力モード時でも手書き入力エリアを表示するなど、ユーザーインターフェイス面での工夫も数多く行われているという。


お風呂での利用をイメージしたデモが実施さらに文字入力機能に関するデモも壇上で行われた



(森田 秀一)

2011/9/21 17:39