ブライトコーブ、iPhone/Android対応の動画配信ソリューション


「Brightcove モバイルエクスペリエンス」

 ブライトコーブは、iPhoneやiPad、Android端末をターゲットにした動画配信ソリューション「Brightcove モバイルエクスペリエンス」の提供を開始した。同社の動画配信プラットフォームの追加機能として無料で提供される。

 今回提供される「Brightcove モバイルエクスペリエンス」は、iPhone、iPad、Android端末といったスマートフォンをターゲットにした動画配信ソリューション。パソコン向けサイトで同社の動画配信プラットフォームを利用している場合、Flash非対応のiPhone/iPadからアクセスしても端末の種類を自動的に認識してHTML5で動画を再生できるほか、Android端末ではAdobe Flash Player 10.1 for Androidに対応し、スマートフォンに最適化されたユーザーインターフェイスで動画を再生可能。加えて、iPhoneおよびAndroid向けにSDKが提供され、動画再生機能を搭載したアプリを開発できる。

 クラウド上に保管される動画データは、H.264の動的なエンコードにより、端末やアプリの種類、通信環境などに合わせた品質で配信が可能になっている。

 

米ブライトコーブ 創立者兼CEOのジェレミー・アレイア氏

 22日は都内で記者向けに発表会が開催され、「Brightcove モバイルエクスペリエンス」の特徴などが解説された。米ブライトコーブ 創立者兼CEOのジェレミー・アレイア氏はまず、動画広告が50%の年度成長を記録し、通信販売サイトやマーケティングでの活用、有料動画コンテンツの拡大、高画質な動画コンテンツの拡大といった、動画の利用がますます拡大している現状を紹介した。また、動画を掲載することでサーチエンジンでの順位を上げたり、ソーシャルメディアと連携してアピールしたりといった利用方法を挙げ、「動画の分析を提供し、マーケティングROIを算出できる」とエンドユーザーの利用動向をフィードバックできる点も特徴とした。

 同氏は今後の見通しについて、「動画広告はオンライン広告において、今後4年で最も伸びる分野」との見方を示した上で、「2013~2014年には(現在の4倍の)40億ドルの規模になる。モバイルでは動画の利用は少ないが、利用の伸びは急速で、2014年までに現在の66倍の規模になる。今後1~3年の間にモバイルの動画広告は大きな規模になるだろうとみている」との予測を明らかにし、広告分野でも動画の利用が急速に拡大していくとした。また、米国を中心に大手企業をはじめ1500社が同社の顧客と紹介されたが、モバイル向けの「Brightcove モバイルエクスペリエンス」を正式版として提供することで、顧客企業を「3000社にまで拡大したい」と意気込みが語られた。

 発表会ではこのほか、iPhone、iPad、Android端末を使って、すでにβ版などでサービスを提供している顧客企業のサイトがデモンストレーションで紹介された。これらには、ニューヨーク・タイムズ、フィナンシャル・タイムズ、タイムなども含まれており、オンラインのビデオ配信プラットフォームとして大手メディア企業にも採用されている実績をアピールしていた。

iPhoneに加えてAndroidへの対応も重要にiPhone、Androidだけでもさまざまな項目が存在する
HTML5への対応Flash Player 10.1 for Androidへの対応
主要な項目はiPhone、Androidのいずれにも対応する今後のロードマップ。よりネットワークに最適化されるという「Apple HTTP Streaming」への対応も含まれている
ブライトコーブの顧客企業日本におけるブライトコーブの顧客企業
デモの様子。ニューヨーク・タイムズはHTML5対応で動画の再生が可能にこちらはタイム
Flash Player 10.1 for Androidの動画再生デモフィナンシャル・タイムズのiPad向けアプリにおける動画再生

 



(太田 亮三)

2010/6/22 14:05