MediaFLO、米国で下期にも新サービス追加


CTIA WIRELESS 2010で展示されたMediaFLO端末

 米クアルコムは、米国で商用展開しているMediaFLO方式によるストリーミング放送に、4つのサービスを追加すると発表した。

 MediaFLOは、米国内で「FLO TV」を通じて商用展開されているマルチメディア放送。現在のストリーミング放送の形に、「インタラクティブ・サービス」「ペイ・パー・デイ・パス」「イベント・パス」「タイムシフテッド視聴・キャッチアップTV」の4サービスが追加されることになった。サービス展開時期は2010年下半期。

 「インタラクティブ・サービス」は、番組を視聴しながらボタンをクリックすると、番組の詳細情報や広告商品の購入が可能になる機能。「ペイ・パー
・デイ・パス」は番組視聴に際して月額会員にならずに1日利用できるようにする機能となる。

 「イベント・パス」は、FLO TVの加入者が通常番組に加えて、特別番組などのプレミアムコンテンツの視聴が可能になるもの。「タイムシフテッド視聴・キャッチアップTV」は、放送波を利用して番組をダウンロードした番組を楽しむクリップキャスト型のサービス。番組を指定しておくと、自動的に端末にコンテンツがダウンロードされ、時間や受信環境を選ばずに番組の視聴が可能になる。

 なお、総務省では、2011年7月の地上デジタル放送完全移行に伴い、地上アナログテレビ放送終了後の跡地(VHF帯)を利用して「携帯端末向けマルチメディア放送」を提供する予定。VHF-High帯では、MediaFLOやISDB-Tmm方式が技術要件を満たすとアナウンスされている。ただし、VHF-High帯に事業参入できるのは事実上1社のみで、放送免許は年内にも割り当てられる見込みだ。

 こうした状況の中、KDDIとクアルコムが出資するメディアフロージャパン企画では、沖縄のユビキタス特区において、MediaFLOを利用したサービスの実証実験を展開。MediaFLOに対応した携帯電話型試作機はKDDIが提供し、MediaFLO用のチップセットをクアルコムが提供している。

 



(津田 啓夢)

2010/4/14 13:50