NECカシオ、5月1日より事業統合


 NECとカシオ計算機、日立製作所の3社は、携帯電話事業の事業統合を5月1日から実施すると発表した。

 NECとカシオ、日立の3社は、2009年9月、NECの携帯電話端末事業部門となるモバイルターミナル事業本部と、カシオと日立の携帯電話を開発しているカシオ日立モバイルコミュニケーションズ(CHモバイル)の事業統合を発表した。事業統合の受け皿となる新会社は「NECカシオモバイルコミュニケーションズ」で、2009年12月に設立されている。

 3社は当初、4月より事業統合を開始すると案内していたが、2月28日、海外での手続きの遅れを理由に、1カ月程度統合を遅らせることを発表していた。今回、5月1日より事業統合することが正式にアナウンスされた。ただし、統合の遅れの理由された合併による海外での競争法審査については現在も継続中。3社は「審査は統合に支障なく完了すると見込む」としている。

 NECカシオは、NECの玉川事業場内に設置され、統合が開始される5月1日時点での資本金は10億円。出資比率ははNEC66%、カシオ17.34%、日立16.66%となる。NECカシオは事業統合後の6月までに増資する予定で、増資後の出資比率はNEC70.74%、カシオ20%、日立9.26%となる見込み。

 代表取締役社長には、現在NECの執行役員でモバイルターミナル事業本部長を務める山崎耕司氏が就任する予定。それに伴って、山崎氏はNECでの役職を退任する。このほか取締役には、NECから5名(内3名は非常勤)、CHモバイルから1名(現在のCHモバイル代表取締役社長の大石建樹氏)、カシオから1名(非常勤)が就く。全体で常勤の取締役は4名で、日立から役員は出向しない。

 事業統合に伴い、NECはNECカシオとの間で会社分割契約を締結、カシオはこれまで連結対象子会社だったCHモバイルが連結対象から外れて持分法適用関連会社になると発表している。いずれも効力発生日は5月1日。

 



(津田 啓夢)

2010/3/24 16:53