ソフトバンク、MIMO実験試験局や屋内用シミュレーターを開発


 ソフトバンクテレコムは、次世代の移動通信システムに対応するMIMOの測定装置を開発し、実験試験局の免許を取得したと発表した。また、第3世代携帯電話などに向けた屋内における電波シミュレーターを開発したことも明らかにしている。

 MIMO関連で開発された装置は、基地局エリア間でのスループット向上が期待される「基地局間協調MIMO」技術を開発するための装置で、2つの基地局と端末との間の電波伝搬特性を測定できる。実験試験局は3.38GHz帯の周波数を使用し、試験装置は80MHz幅で変調方式としてOFDMを用いる。同社では、今回の実験が次世代対応のセル設計などに役立つとしている。

 同装置は、ソフトバンクテレコム、ソフトバンクモバイル、電気通信大学の三者が共同で受託している、総務省の「電波資源拡大のための研究開発」における「異なる大きさのセルが混在する環境下における複数基地局間協調制御技術の研究開発」の一環で開発されている。

 ソフトバンクテレコムはこのほか、第3世代携帯電話における屋内の通信品質を高精度に評価できる電波伝搬変動シミュレーターを開発した。端末側が静止し、周囲の環境側が変化する屋内特有の環境モデルに対応しており、通信品質の高精度な評価や、エリアの効率的な設計が可能になるとしている。また、同システムは無線LANなどに対しても適用できるという。

 同シミュレーターの開発の一部は、総務省の「戦略的情報通信研究開発推進制度(SCOPE)」で受託した「周囲の環境変化による時間変動を考慮できるように次元拡張した新たなワイヤレスシステム時空間電波伝搬モデルの研究開発」の助成で開発されている。

 



(太田 亮三)

2009/9/28 17:25