ドコモ、国産間伐材を使った試作機「TOUCH WOOD」開発


「TOUCH WOOD」上がSH-04Aをベースとしたもの。下がイメージモックアップ

 NTTドコモ、more trees、オリンパス、シャープは、本物の木材を利用した携帯電話の試作機「TOUCH WOOD」を開発した。この端末は、10月6日から開催されるイベント「CEATEC JAPAN 2009」のドコモブースに展示される。

 今回の試作機は、オリンパスの圧縮加工技術により、四万十原産(more treesの森)の本物の木材(ヒノキ)を圧縮加工し、端末ボディに採用した携帯電話。シャープ製の「SH-04A」を基に開発された実機ベースのモデルと、手触りなどに配慮してラウンド形状を採用したイメージモックの2タイプが用意される。

 NTTドコモによれば、木材や革を携帯電話に採用する場合、劣化の問題がクリアできないために、これまではフェイク素材に頼らざるを得なかったという。しかし、今回の「TOUCH WOOD」は、オリンパスの三次元圧縮成形加工技術によって、高密度な耐久性と耐水性、防虫/防かび性を実現し、劣化の問題をクリアした。この圧縮および金型加工技術で木材を成形すると、木材に含まれる油脂も除かれ、成形後の後処理が必要なく、「無塗装でもツヤがあり、木の質感が感じられる」としている。

 端末に使われる木材は、間伐材が採用される。ドコモによれば、国内の人工林は過密状態で、持続可能な森作りのためには一定量を間引く必要があるという。また、用途が限定された間伐材に経済的な価値を見いだすことで、林業の活性化や山林などの環境整備の促進にもつながるとしている。木材は、坂本龍一らが中心となって森林整備などを呼びかける団体、「more trees」の管理する間伐材が使われる。試作機のグラフィックは、more treesの賛同人である写真家の瀧本幹也の作品がベースとなる。

 ドコモでは「TOUCH WOOD」について、将来的な商用化に向けた試作機だとしている。「CEATEC JAPAN 2009」では、実際に触って「TOUCH WOOD」の質感が確認できる予定だ。

 



(津田 啓夢)

2009/9/24 17:03