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楽天が「FREETEL SIM」買収、格安スマホのMVNO事業のみ

 楽天は、「フリーテル(FREETEL)」ブランドで展開するプラスワンマーケティングのMVNO事業を買収する。プラスワンの事業を分割し、楽天が受け継ぐ形。11月1日に実施される。買収額は5億2000万円。

 プラスワンでは、FREETELブランドで携帯電話端末とMVNO事業を営むが、楽天が承継するのはMVNO事業のみ。ヤマダ電機で取り扱われていた「YAMADA SIM PLUS powered by FREETEL」や、ニコニコ動画の有料会員サービスが1年無料の「ニコニコSIM(仮) powered by FREETEL」も楽天に引き継がれる。なお、FREETELのMVNO事業のうち、「フリモバ」ブランドで提供するサービスやプリペイドSIMは対象外。

 FREETEL SIMのユーザーにとっては、11月1日から、契約する相手が楽天になる。サービス内容に変更はない。キャンペーンが適用されていれば11月以降も継続される。接続先の設定であるAPN設定も今のところ変更する必要はないとのこと。

 2017年3月末時点でのプラスワン全体での売上高は100億5900万円、営業利益は53億8800万円の赤字だった。そのうちMVNO事業の売り上げは43億2900万円、負債は約30億円。

 11月1日までは、店舗やサービスを含め、FREETELブランドは残る。それ以降については今後協議の上で決まるとのことで、現時点では決まったことは何もない。楽天側は、FREETEL SIMブランドが残ることから、いますぐ楽天モバイルの回線数に影響することはない、としつつも、MVNO事業が拡大することから、買収を決めた。

 MM総研が6月に発表した調査データによれば、2017年3月末時点における楽天のシェアは9.6%で、FREETEL SIMは5.3%だった。あわせて14.9%というシェアはその当時において、MVNO(大手キャリアのサブブランド除く)シェア2位のIIJと同じ。