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「ピザ生地の温度管理で2000万の損失を解決」「TransferJet×サイネージ」~Interopで見つけたIoTソリューション
2017年6月9日 14:16
スペインで導入済のSIGFOX対応センサーとは
たとえば京セラコミュニケーションシステム(KCCS)のブースでは、IoT向け通信技術のひとつである「SIGFOX」を紹介する。1回線あたり月額100円程度、少しのデータ通信を安価かつ電池で駆動するようなデバイスで使えるSIGFOXは、KCCSやパートナー企業が専用基地局を展開していく。
スペインで広く普及しているというデバイスは、超音波の反射を利用して距離を測定する。このデバイスをゴミ箱の裏に取り付けておけば、ゴミがどの程度貯まっていくかわかるという仕掛けだ。日本で展開するには、周波数が異なるため新たな通信モジュールに取り換える必要があるとのこと。
年間2000万の損失を救う技
またピザチェーン「ナポリの窯」でもSIGFOXを使ったソリューションが導入済。店舗において、ピザ生地を作り発酵させているというナポリの窯では、生地を置いておく冷蔵庫の閉め忘れがたびたび発生。発酵の失敗による廃棄損は年間2000万円にも及んでいた。
そこでSIGFOXと温度センサーを組み合わせた仕組みを導入し、冷蔵庫内の気温を監視。クラウドへ15分ごとに気温データをアップロードし、閉め忘れの被害を抑えている。
TransferJetのSDカード×タブレットで「安価にコンテンツ配信できるサイネージ」
東芝ブースで紹介されていたのは、かざすと高速にデータを送れる「TransferJet」対応のSDカードとカードリーダー、そしてタブレットを組み合わせたもの。
これはデジタルサイネージなどに応用できる仕組みで、パソコンなどがなくとも、タブレット(モニター)に商品などのプロモーション動画を流しておき、興味を持ったユーザーがスマートフォンをかざすと、TransferJet経由でSDカード内のコンテンツを渡せる。店頭でのプロモーションとデジタルコンテンツ配信を、シンプルかつ安価な仕組みで実現できる。TransferJetに関しては、10Gbps超の通信ができる「TransferJet X」がIEEEで承認されたばかり。2020年の東京オリンピック・パラリンピックを見据え、街中でのリッチコンテンツの配信インフラへの採用を狙っていくという。
スマホで撮った写真をデジタルサイネージで楽しめる
スマートフォンで撮った写真をWebアプリ経由でソニーのBRAVIAに表示させるというサービスはラポ株式会社が提供する「スマラポ」というサービスだ。結婚披露パーティなどで、参加者のインスタント写真を撮って、会場内に飾るといった場合があるが、そのデジタル版とも言える。
使い方はシンプルで、スマートフォンでBRAVIAに表示されたQRコードを読み取り、専用サイト(Webアプリ)にアクセスするだけ。あるいはTwitterに投稿された、任意のハッシュタグ付き写真を使うこともできる。スマラポのサイトでは、投影する先としてBRAVIAだけではなくプロジェクターなどの活用例も紹介されている。