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「1兆2兆の利益は通過点」、“大ボラふき”孫氏のソフトバンクの将来像

 ソフトバンクグループは、2017年3月期(2016年度)の決算を発表した。売上高は8兆9010億400万円、営業利益は1兆259億9900万円、純利益は1兆4744億3000万円となった。

 “大ボラふき”を自称する同社代表の孫氏は、10年前に赤字時代に株主から「ソフトバンクは今後どうなるんだ」と詰め寄られた時に、「大ボラだと前置きして『いずれは、利益で1兆円を達成する会社になりますよ』と答えた」というエピソードから切り出した。

 今期、株式の売却益が純利益を押し上げたことで、初の1兆円超えを達成し、その“大ボラ”が実現した形。しかし、孫氏は「1兆2兆の利益はまったくの通過点」と語り、設立準備中のソフトバンク・ビジョン・ファンドによるさらなる拡大構想を示した。

ソフトバンクは“金のタマゴを産むガチョウ”?

 孫氏は、2014年度上期決算で披露した「金の卵を産むガチョウ」の例え話を再び持ち出し、ファンドの将来像を説明した。

 2014年当時の孫氏は「私は、(金の卵ではなく)金の卵を生むガチョウに価値があると思う。金の卵を生むガチョウになりたい。ソフトバンクの資産、ひとつひとつが金の卵」と語っていた。

 今回は、2015年3月期との比較で、2億円の負債を増やした一方で、8億円の資産を得た成果を、「借金を餌代にして、それ以上の金の卵を産んだ」と孫氏らしい表現で強調。その上で、ビジョン・ファンドでは、10兆円規模の資金を活用することで、“餌”(借金を)増やさずに「真のゴールドラッシュ」に挑むための構えだと、紹介した。

 孫氏はサウジアラビア政府なども出資する「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」を活用して、「業界1位の企業集団」を構築する考えで、「お金の制限が取り払われることで、これから伸びるであろう業界、そこで1位の会社を続々と取り込んでいく」と、投資に注力することを表明。「目先のお金がないとなくなく諦めた企業があったが、それを仲間に入れていく、そういう発表が毎月でてくるだろう」と語った。