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コンビニ商品に電子タグ導入へ、経産省とコンビニ各社が合意

 経済産業省、セブン‐イレブン・ジャパン、ファミリーマート、ローソン、ミニストップ、JR東日本リテールネット(NewDays)は、2025年までに全ての取扱商品で電子タグを利用することで合意し、「コンビニ電子タグ1000億枚宣言」を策定した。

 コンビニエンスストアのような小売業では、少子化の影響により、働き手の不足、労務コストが上昇。また配送や生産では効率化する一方で、売れ残りの食品が廃棄される食品ロス、あるいは返品といった課題があり、現場スタッフの負担や運営コストの増加に繋がっている。

 経産省では、これらの課題を解決する手段のひとつとして電子タグ(RFID)に注目して実務者会議を開催。この会議ではローソンとパナソニックが実施した、完全自動セルフレジ機「レジロボ」の実験を踏まえて検討したという。レジロボは、RFIDを活用して商品情報を読み取れるようになっており、実験期間中、従業員のレジ業務軽減、棚卸業務の効率化に繋がり、客数と売上が約2割ほど伸びた。

ロボレジ

 こうした結果を踏まえた「コンビニ電子タグ1000億枚宣言」では、2025年、セブン-イレブン、ファミリーマート、ローソン、ミニストップ、NewDaysの各社の取扱商品全てに電子タグを貼り付けるこで合意。その数は年間1000億個に達すると推計されており、商品の個品管理を実現させる。各社では2018年を目処に特定の地域で実験を行う。

 レンジ温めや金属容器、冷凍・チルド、極細など特殊な条件がない商品には「普及型」の電子タグを用いることになり、その単価(ICチップ、アンテナ、シール化など含めた費用)が1円以下になることや、メーカーが商品にタグを付けるソースタギングが実現して商品のほぼ全てをRFIDで管理できること、という2つの留保条件が付けられている。

 電子タグの導入により、小売業では、レジ・検品・棚卸の高速化、防犯ゲートを使った万引き防止、消費期限管理の効率化と食品ロスの削減などが期待されている。リアルタイムで店頭・流通の在庫量をメーカー側がわかれば、生産量を柔軟に調整したり、トラックの空き情報をシェアして共同配送したりするといった効率化の実現も可能とされている。