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活動量計とセンサーにセコムの救急対応が融合、「セコム・マイドクターウォッチ」

 セコムは、ホームセキュリティサービスのオプションとして、リストバンド型の活動量計に救急対応や自動通報機能などを搭載した「セコム・マイドクターウォッチ」を開発した。2017年1月から「セコム・ホームセキュリティ」のユーザー500名を対象に、モニターとして3カ月間トライアル提供が行われる。2017年初夏のサービスインを目指す。オプションとしての利用料は月額で1000円以下が検討されている。初年度の提供目標は3万件。

「セコム・マイドクターウォッチ」

 「セコム・マイドクターウォッチ」はリストバンド型の活動量計にセコムへの通報機能を加えた端末。

 宅内に設置された「セコム・ホームセキュリティ」(G-カスタム)の端末にBluetooth Low Energyで接続し、歩数や消費カロリーといった日々の健康管理データをデータをセコムのデータセンターにアップロードできる。データは分析されて宅内の端末に表示される。

 体調の悪化などで救急対応を求める機能として、救急通報ボタン(2カ所の同時押し)を備える。Bluetoothではなくセキュリティ無線通信経由で宅内の端末に接続し、セコムに通報される。

 「転倒検知」として、加速度センサーや独自アルゴリズムを用いた、自動の通報機能も備える。体調の急激な悪化で気を失って倒れるなどの、ボタンを押せない状況を想定したもので、加速度センサーで転倒を検知した後、しばらく動かないと、端末内蔵のバイブレーターが振動して装着している人に通知し、アクションがない場合は自動的に通報を行う。

 「ライフ検知」の機能も備え、例えば睡眠時に全く動かない時間を一定以上検知すると、バイブレーターで装着者に通知した上で自動的にセコムに通報する。

 自動通報では、どちらもユーザーの意識がある場合は、バイブレーターで通知された段階などで通報のキャンセル操作も可能。

 「セコム・マイドクターウォッチ」は専用のクレードルに置くだけで充電でき、通常で約10日間の利用が可能。IPX7の防水性能も備える。

 開発時点での「セコム・マイドクターウォッチ」は、基本的には宅内の「セコム・ホームセキュリティ」の端末と連携するものだが、今後は、スマートフォンとペアリングし、専用アプリを経由して、屋外でも救急対応などのサービスを利用できるようにしていく方針。

 さらに、IoT機器として今後登場する体組成計や血圧計などの機器を「セコム・マイドクターウォッチ」と連携できるようにし、健康管理機能も拡張していく方針。

 一方、「セコム・ホームセキュリティ」と切り離した、単体での販売や提供は検討されていない。

転倒検知のデモなど
転倒
しばらく動かないとバイブレーターで通知
「セコム・ホームセキュリティ」の端末(左)を経由し自動的にセコムに通報される
「セコム・マイドクターウォッチ」を装着したセコムの中山社長

 21日に都内で開催された記者向けの発表会で、セコム代表取締役社長の中山泰男氏は、急病で気を失って倒れた人に対し、偶然居合わせたセコムの隊員が、AEDを利用して救命措置を施した事例を紹介しながら、「万が一のとき、セコムのスタッフがいれば対応できるが、いつもいるとは限らない。いつもセコムがそばにいるようにしたい」と、「セコム・マイドクターウォッチ」開発の背景を語る。

 セコム 執行役員技術開発本部長兼開発センター長の進藤健輔氏は、「セコム・マイドクターウォッチ」の詳細を解説し、「あらゆる可能性を持っている。どんどん進化させて、良いサービスを提供していきたい」と意気込みを語った。

セコム 執行役員技術開発本部長兼開発センター長の進藤健輔氏
「セコム・マイドクターウォッチ」の紹介動画