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IIJ、余ったデータ量分を割引する「IIJmioモバイルプラスサービス」

au回線対応、3GB/7GBプランと端末セットで

 インターネットイニシアティブ(IIJ)は、個人向けの新たなモバイルデータ通信サービスとして、au回線を利用する「IIJmioモバイルプラスサービス」を12月1日より提供する。端末とセットで提供され、使い切れずに余った通信料は、その分、月額利用料から割引される。

 通信プランは、3GBで月額900円(税抜、以下同)の「エコプランミニマム」と、7GBで月額1700円の「エコプランスタンダード」の2種類。まずはWebサイト上から申し込める。どちらもSMS対応で、通話機能を使う場合はさらに700円のオプション料がかかる。通信料が余ると、500MBにつき100円を割り引きする形で、割引上限額はエコプランミニマムで400円、エコプランスタンダードは1200円。

エコプランミニマム(3GB、音声通話オプション付き)で割引適用時
月額基本料余った容量割引額割引適用後の月額料
1600円0MB以上500MB未満0円1600円
500MB以上1GB未満100円1500円
1GB以上1.5GB未満200円1400円
1.5GB以上2GB未満300円1300円
2GB以上3GB未満400円1200円

 SIMカード単体では提供されず、IIJmioサプライサービスで用意されたau VoLTE対応機種をセットで利用することになる。

機種一括払い分割払い
arrows M033万2800円1380円×24回
ZenFone GO1万9800円850円×24回
ZenFone 2 Laser1万7800円750円×24回
ZenFone 33万8800円1650円×24回

 容量を使いきった場合、1GB単位で最大20GBまでバンドルクーポンとして追加できる。

実は従量プラン、ターゲットはエントリー層

 IIJでは、これまでのプランとは異なる、新たなサービスとして「モバイルプラス」を用意した。既存サービスでは30代~40代の男性層がメインユーザーだったが、新たなターゲットとして「格安SIM、MVNOに関心はあるが、どうしたらいいかわからない」と感じているエントリー層をターゲットにするためだという。既存サービスと区別することで、料金構造(見せ方)や端末とのセットなども、わかりやすく新たな姿勢で打ち出していける、という目論見だ。

 特に今回の「モバイルプラス」登場の背景には、今年はじめ、主婦層のユーザーと行ったミーティングが大きな影響を与えた。それまでIIJの企画担当者は、「主婦層は節約に関心があるものの、ITリテラシーの壁で手を出しづらいのでは」と考えていた。話を聞いてみると、既にSIMや端末についてのハードルは確かにあったが、「節約」というよりも「無駄がイヤ」という意識だということがわかり、目から鱗が落ちた。無駄をそぎ落とせるのであれば、難しく手続きなども乗り越えてくれるとのことで、「使わない分は割引」という形になった。

 ドコモ回線ではなくau回線になった理由はSIMカード。auのSIMカードは、1つのパッケージで、通常サイズ、microサイズ、nanoサイズから選んで、好みのサイズで取り外す形。つまりユーザーにとっては、契約時点でSIMカードのサイズを気にせずに済む。エントリー層にとってわかりやすいのでは、という観点で決まったのだという。端末とセットで販売するのも、わかりやすさを重視した結果だ。

 「使わない分は割引」という料金は、裏を返せば「使った分だけ料金がかかる従量プラン」だ。IIJでは、「モバイルプラス」の導入にあたり、新たなロジックは採用せず、これまでの仕組みでそのまま実現した。ただ、IIJmioのサービスのなかでは、最も安い場合で500円(データ通信プランのみ、1GB未満の場合)で済むというのは「モバイルプラス」が初めてだ。

 一般的な従量プラン、あるいは上限のある段階制プランであれば、使えば使う分、増えていく。そのため、通信量を気にかける必要がある、という煩わしさがつきまとう。その反面、「モバイルプラス」は大枠の「3GB/900円、7GB/1700円」以上はかからない、と意識すれば、それ以外の料金面が気にならなくなる……というのがIIJ側の狙い。仕組みとしては、IIJ独自というものではなく、他社もキャッチアップできるものだが、一足先に新たな見せ方で、これまで取り込めていなかった主婦層、節約を強く意識する層へのアプローチをはかる。今後、ニーズがあれば、20GBなど大容量プランも検討する。この場合も使う時は便利だが、使わない月は安く済むという「モバイルプラス」のメリットをわかりやすく伝えていけるのでは、と考えているのだという。