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最大5秒の動画でチャットするアプリ「Sunnychat」、Supershipから

 KDDIのグループ会社であるSupershipは、動画を使ったチャットアプリ「Sunnychat(サニーチャット)」の提供を開始した。利用料は無料。

 「Sunnychat」は、最大5秒の動画を共有して、チャットやスタンプを楽しめるアプリ。動画が会話のきっかけになるよう設計されており、撮影した動画にテキストやスタンプを加えて共有できる。

 たとえば真夏の晴れた空を撮って「暑い」とテキストを添えて、写真とはまた一味違った夏の雰囲気をシェアして、そこから友人や家族と会話をはずませていく……といった使い方が想定されている。

 撮影した動画は、設定によって端末内へ自動的に保存することもできる。ファイルマネージャーのようなアプリを使って端末内に保存した動画にアクセスすれば、他のアプリに送ることもできる。

 他のユーザーとは、Facebookや電話帳、QRコードを使って繋がれる。

Supershipが自社サービスを手がける理由

 Supershipは、2015年11月、ネット広告を手がけるスケールアウト、生活情報サイトなどWebメディアを運営するnanapi、KDDI子会社のビットセラーの3社の合併により設立された企業。いずれももともとKDDI傘下であり、KDDIがオープンインターネット分野に向けて進める「Syn.(シンドット)」構想の中核を担う企業でもある。

古川氏(左)と森岡氏(右)

 「Syn.」では、「良い繋がりを提供していく」というコンセプトを掲げ、異なる企業が提供するWebサービスの連携を強め、相互送客などを実現している。過去1年、Syn.には動画メディアの「C CHANNEL」などが参画しており、Supershipでは広告プラットフォームに関する機能の強化などに取り組んできたが、自社によるサービスも提供していくこととし、新規サービスとして今回、「Sunnychat」が提供されることになった。

 冒頭、説明を行ったSupership代表取締役社長の森岡康一氏は「新しいスマホ時代、あらゆるものを繋げていく。使い勝手はまだまだだが、進化していく。グローバルに展開していきたい」と意気込む。

ネガティブよりポジティブな会話に

 新規事業開発を担当する古川健介氏は、多くの人を繋げるサービスの開発を目指すなかで、リアルの人間関係を反映させるものが多く利用される、と説明。そこでコミュニケーションというジャンルを選び、そのなかでも他社のサービスの利用動向を踏まえつつ、動画にフォーカスする形で「Sunnychat」を開発してきたと語る。

 既にLINEのようなサービスが多くのユーザーに利用される一方、そうした既存サービスでのやり取りについては「スタンプがよく利用されているかと思いきや、(ユーザーインタビューなどを通じて調査すると)若年層でも、結構短いテキストのやり取りが多く、どぎつい言葉がよく利用されている。LINEでも動画を相互に送りあうことができるが、LINEで送ると『この動画を見て!』と自己顕示欲が強すぎる、と捉えるむきもあるようで、敬遠されがち」と語る。Sunnychatは、動画からコミュニケーションを始めるという形にすることで、ユーザーの間でもにこやかな雰囲気を醸成しやすい、と目論む。

 5秒という短時間の動画は、Vineなどで既に利用できる形だが、そうした既存サービスについて古川氏は「VineはコミュニケーションというよりTwitterのようなメディア的なサービス、特に意識はしていない。(動画が残らない)Snapchatは、気軽に動画をやり取りするという点では類似しているかもしれないが、そこからコミュニケーションが活発に繋がるということは少ないのではないか」と、動画から会話を活発にやり取りさせていく「Sunnychat」との違いを説明する。

 法人アカウントのような構想はまだ発表できる段階ではないとのこと。また将来的には、顔認識技術との組み合わせで、動画への加工手段のバリエーションを増やすといった機能追加をはかる。さらに将来的にはAR技術との組み合わせなどで、現実にはない状況を動画で表現してコミュニケーションのきっかけにするといった展開を考えているという。