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UQ mobileは「総攻撃に出る」、au連携で家電量販1000店に展開へ

「WiMAXの全ノウハウをスマホに注入」、端末も「続々と出る」

 UQコミュニケーションズは、au網のMVNOとして展開する「UQ mobile」について、新たな割引施策や追加するスマートフォンを解説する発表会を開催した。

UQコミュニケーションズ 代表取締役社長の野坂章雄氏

 いわゆる格安SIMとしてSIMカードやスマートフォンを提供する「UQ mobile」は、紆余曲折を経て現在はUQコミュニケーションズが抱えるMVNOのブランドになっている。UQコミュニケーションズが、記者向けの発表会の形で「UQ mobile」について説明するのは今回が初めて。

 登壇したUQコミュニケーションズ 代表取締役社長の野坂章雄氏からは、再スタートを切った形になっている「UQ mobile」の取り組みのほか、WiMAXを含めて通信サービスを展開してきたUQとしての強みなどが語られた。

 発表会を開催したタイミングについては、「この週末はボーナスの支給。夏商戦が始まる」としたほか、タスクフォースとその後の総務省の取り締まりで、大手キャリアの販売施策の影響力が弱まり、“格安スマホ”に注目が集まっているという背景があるとする。

 なお、具体的な割引やサービス内容は、別記事を参照していただきたい。

「WiMAXの全ノウハウをスマホに注入」

 野坂氏が語るUQの強みは、データ通信を中心に高速化を続けてきた技術力。同社は2009年にWiMAXで通信サービスを開始し、現在までに4×4 MIMOやキャリアアグリゲーション(CA)で下り220Mbpsのサービスを提供している。「おそらく年内にはいけるだろうが、4×4 MIMO+CAで、いよいよ440Mbpsということで、業界最高速に返り咲きたい。データ通信といえばUQ、ともう一回思い出してもらいたい」と、強みはWiMAXでデータ通信を牽引してきた技術力やブランドにあるとする。

 もうひとつの強みとして挙げられたのは、量販店での営業力。大手家電量販店では継続的にUQの売り場が確保されており、UQのスタッフの力量や店頭イベントなどにより成約率も高く、量販店との信頼関係も構築できているという。

 その上で野坂氏は「WiMAXの全ノウハウをスマホに注入する」とし、WiMAXなどで培ってきた方法を総動員して「UQ mobile」を展開していく方針を明らかにした。

「UQ mobile」は「プレミアムなコスパ・スマホ」で第3極の形成を目指す

 その「UQ mobile」のポジションについては、大手3キャリアよりも安く、“格安スマホ”よりもサポートや安心感が高い「価格と価値のバランス」で、「第3極」を目指すとした。これは今後「UQ mobile」が目指す方向の基本になるとする。

 より具体的には、「プレミアムなコスパ・スマホ」(※コスパ=コストパフォーマンス)というコンセプトが紹介された。「価格は安くても、価値はいっぱい、でも必要なものだけをスッキリと並べたい」とも説明され、「あなたにピッタリくるスマホ。」というCMなどでも使用するキャッチコピーが披露された。

端末は「続々」と追加

 価格以上の価値があるとする、その具体的な項目は、「料金」「通信品質」「SNS」「スマホ」「チャネル」の5つが挙げられている。料金は大手キャリアの1GBプランと比較して安価とし、さらに「ぴったりプラン」では女性のユーザーが大幅に増えたとして、「まだ5割ではないが、我々は、初めて女性の世界に入っていけるのではないか。非常に明るい状況。SIMのことが分からなくてもUQだったらいいかなと思ってもらえるようにしていきたい」と意気込んだ。

 また、CMなどでもキャッチコピーとする「SNSデータ消費ゼロ」というキーワードは、月間のデータ通信容量を消費しない「ターボOFF」時でも、300kbpsの通信速度を確保し、SNSなら快適に利用できると謳うもの。アプリを提供することでモードの切り替えや残量確認も簡単にできるようにした。「SNS系のMVNOが始まるという話もあるが、餅は餅屋。SNSならUQといわれるようにしていきたい」と、LINEのMVNOサービスにも対抗していく構えを見せている。

 端末の購入については、端末代金の分割払いに相当する「端末購入アシスト」と、これに対応する割引の「マンスリー割」(2年契約)を適用することで、例えば端末価格が2万9760円ならで実質0円で購入でき、さらに「マンスリー割」は店頭でUQ mobileが指定する中古のスマートフォン(ゲオが販売)にも適用できると、スマートフォンを安く購入できる点についても特徴が解説された。

 端末のラインナップについては、これまでバリエーションが少なかったことは認めており、「これからどんどん増やしていきたい」とし、この日の発表会には間に合わなかったという端末が後日発表されることや、「時間をおかずに続々といきたい」と名言され、順次拡大していく方針が示された。

家電量販1000店で「UQ mobile」を展開、「総攻撃に出る」

 「チャネル」については、UQのスタッフが対応している家電量販店は現在200~300店舗とした上で、「UQ mobile」を取り扱う家電量販店を、7月~8月にかけて、全国で1000店舗規模にまで拡大することが明らかにされた。

 その実現方法については「au連携」で、UQとauを合わせて全国約4000名のスタッフとして展開する。「リアルタッチポイントで総攻撃に出ていきたい」と意気込む。すでに6月には「セールスアシストセンター」を開設しており、店頭スタッフの負担を軽減する仕組みも導入、auスタッフと早期に連携できるようにしている。

 さらに、量販店以外のいわゆる併売店と呼ばれる携帯電話販売店での販売も強化しており、現在までに420店舗が「UQ mobile」の取り扱いを開始している。

 「MVNOはリアルタッチが無くて苦労している。UQは家電量販店を含めそのほかのショップでも頑張っていく」と、リアルタッチの展開も大々的に展開していく方針を明らかにした。