「Optimus LTE L-01D」開発者インタビュー
高精細液晶を搭載したXi対応スマートフォン
2011年冬~2012年春モデルとしてNTTドコモから発売されるLG Electronics Japan製の「Optimus LTE L-01D」は、4.5インチの「True HD IPSディスプレイ」を搭載し、LTEサービス「Xi」(クロッシィ)に対応したAndroidスマートフォン。
同端末の特徴や日本市場への取り組みについて、LG Electronics Japanのモバイルコミュニケーション プロダクトグループ 金希哲氏、マーケティンググループ 尾花圭介氏、広報担当 金東建氏に話を伺った。
――まず最初に、製品のポイントを教えていただけますか。
金希哲氏
「Optimus LTE」の一番のポイントは、4.5インチの「True HD IPSディスプレイ」を搭載していることです。色の再現性に優れていて、例えば、有機ELディスプレイなどは独特の青味が強くなる傾向がありますが、IPS液晶は、より実際の色に近い自然な色合いを再現できるという特徴があります。IPS液晶には視野角が広いという特徴もあるので、複数の人間で動画などを見る際にも見やすくなっています。
また、1280×720ドットのHDディスプレイなので、WVGAディスプレイに比べて2倍の情報を表示できます。加えて、329ppiという高密度のディスプレイになっていて、文字がより見えやすくなりました。329ppiというのは、これ以上高密度にしても人間の目にはわからないと言われているレベルなので、人間が識別できる最高の密度となっています。
ディスプレイ以外のハードウェアのスペックの高さも本製品の特徴です。クアルコム製の1.5GHzデュアルコアCPUを採用しているので、現時点で最も高性能なCPUを搭載している端末の一つとなります。バッテリーについても、1800mAhと大容量になりました。
金希哲氏 |
――LTE対応端末はバッテリーの持ちがネックとされていますが、何か工夫はされているのですか。
金希哲氏
確かに、バッテリーの持ちに関しては苦労していまして、現在も発売に向けて最終調整を行っているところです。LTEのチップの消費電力が高いことが一番の原因なので、根本的な解決は難しいと考えています。
そこで対策としては、まずバッテリーの容量を大きくすることが挙げられます。「Optimus LTE」のバッテリーは、「Optimus bright」のバッテリーと同じサイズですが、容量は1.2倍となっています。また、本体とは別売りですが、本体と予備用バッテリーを一緒にセットして充電できる卓上ホルダーを提供する予定です。予備用バッテリーを持ち歩くというのも、対策の一つです。
――ワンセグ、おサイフケータイといった日本向け機能にも対応していますね。
金希哲氏
はい。グローバルモデルながら、日本独自の機能にも対応しているのも本製品の特徴です。ワンセグについては、フィーチャーフォン時代からの蓄積がありますし、韓国にも「DMB」(Digital Multimedia Broadcasting)という韓国版のワンセグがありますので、それほどハードルは高くありませんでした。しかし、おサイフケータイは、搭載するだけでなく、その後の試験にも工数をかける必要があり、なかなか簡単ではありませんでしたが、社内でもいろいろ論議した結果、対応することにしました。海外メーカーでおサイフケータイに対応しているのは、かなり珍しいのではないでしょうか。
別売りの卓上ホルダー。なお、写真は試作品とのこと |
それから、日本独自の機能として、WebブラウザーのUIを変えています。画面下部のツールバーの真ん中にズームボタンがあるのですが、このズームボタンを押しながら、端末を手前に傾けたり、反対側に傾けたりするジェスチャー操作で、ズームイン/ズームアウトができます。手のサイズが大きくない人でも片手で快適に操作できるUIとなっていて、例えば、通勤の電車内で片手でスマートフォンを操作するシーンなどで便利だと考えています。
また、韓国ではボディカラーは「Black」1色ですが、日本市場では「Red」と「Black」の2色展開となっていて、プロモーション上は「Red」をメインカラーにしています。
――なるほど。Redをメインカラーにしたのはどのような意図ですか。
金希哲氏
Black以外の色として、5色程度サンプルを作ってみましたが、その中から最終的にRedを選択しました。光沢のないマットな赤色にしていて、男性にも女性にも使っていただけると思います。また、スマートフォンのボディカラーは背面だけの違いで、前面から見たら色の違いがないということが多いですが、本製品では前面から見ても色の区別がつくように工夫しています。
尾花圭介氏 |
――どのようなユーザー層をターゲットにしていますか。
尾花圭介氏
これまで日本市場に投入した「Optimus bright」と「Optimus chat」は比較的カジュアルな製品で、ライトユーザー向けでしたが、今回の「Optimus LTE」はハイスペックな端末となっているので、先端ユーザーにぜひ使っていただきたいですね。LGの技術的な評価を上げていきながら、押さえるべきスマートフォンの本流を押さえていきたいと考えています。
また、「Xi」については、LGが最初のデータ通信端末を提供しましたし、どこよりもいち早く取り組んでいるので、「XiはLGが実績があるから安心できる」と感じていただけたらと思います。
――LTE対応スマートフォンということで、これまでのスマートフォンの使い方とどんな違いが出てくるでしょうか。
金東建氏 |
金東建氏
LTEは3Gよりも回線速度が速くなるので、HD動画などの大容量コンテンツもスマートフォンで快適に楽しめるようになります。これは、動画はスマートフォンで楽しむものというように、人々のライフスタイルを変える可能性を秘めています。実際に、韓国や欧州では、LTEによってライフスタイルが変化してきています。
――そのほかにアピールポイントはありますか。
金希哲氏
これは、「Optimus LTE」に限られたことではありませんが、Optimusユーザー向けのコンテンツマーケットである「LG Smart World」を利用できます。ほかのアプリマーケットでは有料で販売されているアプリを無料で提供するほか、韓国ドラマや韓国の音楽番組などの動画コンテンツも提供しています。さらに、Optimus LTE限定の目玉コンテンツとしてCAPCOMの「Street Fighter IV HD」を用意していて、体験版を無料ダウンロードできます。
また、従来のOptimusスマートフォンやLGのフィーチャーフォンでも利用できた機能ですが、「On-Screen Phone機能」という、BluetoothやUSBで接続したPCからスマートフォンを遠隔操作できる機能を搭載しています。PCのキーボードでメールを作成したり、PCの画面上でドラッグ&ドロップしてPCとの間でファイルを移動することが可能です。今後、BluetoothとUSBに加えて、Wi-Fi接続にも対応する予定となっています。
――最後にお聞きしたいのですが、Android 4.0には対応する予定ですか。
金希哲氏
はい。時期は未定ですが、Android 4.0へのバージョンアップに対応する予定です。
――本日はありがとうございました。
2011/12/2 15:00