インタビュー
「UNiCASE」竹下氏に聞くスマホケースの最新トレンド
関西での出店拡大と新ブランド立ち上げの狙い
2016年7月19日 11:55
スマホケースを中心としたスマートフォンアクセサリー専門店「UNiCASE」を運営するCCCフロンティアは7月15日、大阪のなんば戎橋にUNiCASEの新店舗をオープンした。7月27日には、京都の河原町オーパにも新店舗をオープンする予定だ。さらにオリジナルブランドの商品展開も新たに開始するという。
最近のスマホケースのトレンドから同社の積極的な新店舗展開や新ブランド立ち上げの狙いについて、CCCフロンティアの執行役員 竹下結夏氏にお話を伺った。
大阪・京都の新店舗展開の狙い
――今回のなんば戎橋の店舗ですが、ターゲットは女性ということでしょうか?
竹下氏
そういったイメージです。なんば戎橋の店舗から徒歩5分程度の心斎橋にもUNiCASEの店舗があります。ここまで近いところに自社店舗をオープンすることはあまりないのですが、心斎橋の店舗は元々、近くのアップルストアからのお客さまに多く来ていただいているので、男性の割合が半分を超えています。心斎橋の店舗は男性を意識したコンセプトで、ケースだけでなくキーボードなどのガジェットも扱っています。
心斎橋の店舗を数年、営業していく中で、スマホをファッションとして持つ人が増えてきて、さらに海外からの観光客のお土産需要も大きいことが分かってきました。そこで今回のなんば戎橋の店舗は、そうしたお客様をターゲットとし、外装内装もかなりキラキラしています。
――京都の河原町にも新店舗をオープンされますが、そちらも同様ですか?
竹下氏
京都は初出店で、ほかにほとんど専門店がないエリアです。近くでスマホケースを販売している場所はロフトさんくらいで、郊外に行けばインモールなどもありますが、都心部に専門店がありません。ですので、京都の店舗は専門性を意識しているところもあり、オーディオ系なども含め、商品点数もかなり大きくなる予定です。
もちろん京都も観光客が多いのですが、京都に来る観光客は、大阪でお土産を買い込んできてから京都に来た、というイメージです。まとめ買いのようなものを期待するのではなく、限定商品など、京都ならではの和風を意識するようなものが求められてくる店舗と想定しています。
京都の店舗は、河原町駅前の商業施設、河原町オーパの地下階のリニューアルにあわせてオープンします。ここにはタリーズやコスメショップ、メガネ屋さんなどがオープンするとのことです。
――建物全体が比較的女性向けなのでしょうか。
竹下氏
私もオーパはギャル色が強いと思っていましたが、京都だと中高生だけでなく30~40代のブランド品を持っているような人も買い物をしています。近くに高島屋や大丸、マルイ、ラオックスもあり、外国人観光客と地元のファッションを意識してる人の買い物の場所になっています。いろいろな人が買い物に来るというのが特徴ですね。
河原町オーパ自体は女性寄りですが、おそらく、うちのショップは同行した男性の逃げ場にもなるのだと予想しています。女性が買い物をしているときに、男性にうちのお店で時間を潰してもらったりとか、そういったところも狙っているので、男性を意識した商品も扱います。
最新のスマホケース事情
――UNiCASE全体では現在、どのくらいの商品を扱っているのでしょうか。
竹下氏
UNiCASE全体では2万7000商品を超えています。iPhone 6/6sのケースで6000弱とかです。
――いちばん売れているものは?
竹下氏
やはりiPhone 6/6sのケースですね。
――最新モデルであるiPhone SEは? iPhone 5/5sとケース自体は同じですが。
竹下氏
それほどでもないですね。とくにiPhone SEは買いたくても買えない人がいるくらいで、端末がまだ出回っていない印象もあります。やはりユーザー数が多い端末のケースが売れます。
――ざっと商品を見ますと、ケースの種類としてフリップタイプが多いですね。
竹下氏
割合でいうとフリップ・手帳タイプが多いです。一時期は7割くらいがフリップタイプでしたが、今はそこまでの伸びは止まっていて、フリップタイプは半分ちょっとくらいです。
――流行が結構あるのですね。
竹下氏
デザインの好みやファッション性もあると思いますが、たとえば通勤電車の中で必ずスマホを使うので、定期券を入れられることがフリップタイプがヒットした一因だと考えています。電車の中で人に画面を見られたくないので、目隠しにも使えます。カバンに放り込んでも大丈夫とか、薄型のものよりも、丈夫さを感じるものが女性の支持を集めていますね。
逆に男性はフリップタイプが嫌いという人も少なくありません。胸ポケットなどに入れておくと、取りだしたときに「開く」というワンアクションが増えることを嫌うようです。
――バンパータイプは流行っていないのでしょうか。
竹下氏
iPhone 5/5sの頃はバンパータイプが売れましたが、iPhone 6になってからはあまり売れなくなりました。やはりiPhone 5/5s/SEのフラットデザインでこそ流行った形状なのでしょうね。
――総務省による指導の影響で、スマートフォンがやや高価になり、大事に使うためにケースが売れるといった影響はありましたか?
竹下氏
以前よりスマートフォンを使うサイクルが長くなっています。1年で買い換える人はよほど好きな人で、2年ごとですら買い換えないようになり、女性は3年くらい使う人が増えている印象です。長く使うので、途中でケースを変える人が増えていると考えています。今はずっと1種類のケースだと飽きるので、会社に行くとき、レジャーに行くときなどシーンごとに変えたりと、ファッションの一部として購入される人が増えていると思います。これもスマホを持つ女性が増えたことによって出てきた文化かと思います。
また、以前はスマートフォンの新発売直後にはシンプルなケースが売れていましたが、最近は最初からファッション性のあるケースを買う人が増えています。「最初だから何でもイイ」ではなく、「最初から気に入ったものを」、というのがとくに女性に多いです。そういった方が、とくにUNiCASEに来ていただいています。
――スマートフォンも人前で使って外観を見られるので気を遣った方が良いよね、というところですね。ほかにも充電器やケーブルもそういったファッション性が求められたりしないのでしょうか。
竹下氏
あると思います。バッテリーやケーブルもそうですし、スマートフォンにまつわるすべてでオシャレなものを求める人が増えています。
そういった状況で、UNiCASEはスマホアクセサリー専門店として長く営業してきましたが、いろいろな人に満足いただけるのはもちろん、ファッションの一部として使ってもらうことを大きなテーマであり使命と思っています。
オリジナルブランドでファッション性を追求、雑貨も展開
――ケース以外のアクセサリーで何か新しいトレンドとかはありますか?
竹下氏
オリジナルの製品としては、ショルダーチェーンを作っています。カバンのように掛けられるストラップ穴があるフリップケースと組み合わせて使います。
――これは肩提げなのですか?
竹下氏
そうです。これだけ持ってお出かけとか。両手を自由にしておきたい若いお母さんとかも使ってますし、ファッションとしては、結婚式やパーティにスマホだけ持って行くとか、そういった需要があります。
――男性からすると、ネックストラップならわかるのですが、そうではないのですね。
竹下氏
こちらはオリジナルの製品ですが、ファッションブランドのフリップカバーもショルダーチェーンが付けられるものが多くなってきています。中にSuicaとクレジットカードを入れておけば、それだけで支払いもできてしまいます。
――なんだか面白いですね。男性向けにもこういった新しいアイディアが欲しくなります。
竹下氏
そこは今後、男女ともにファッション性を打ち出していきますので、新しいブランドにご期待ください。
――男性向けとなると、革とかメタルとかですが、それ以外も含め、今までにない何かがあると面白そうです。
竹下氏
UNiCASEですと、革をいろいろな色に染めたものも作っていて、価格は1万円以上ですが、そこは男女問わず売れています。今回の店舗にもそういったものは置いています。
我々はスマホケースの流行を牽引している立場だと意識していて、フリップケースや保護フィルムなどは他社に先がけてやっていました。そういった立場として、いろいろなことをやっていきたいですし、男性にも楽しんでもらえるといいな、と思っています。
――新ブランドについても少し教えてください。
竹下氏
もともとUNiCASEでレーベルがありますが、そちらはファッショントレンドを押さえつつ適正な価格で買いやすいものを展開しています。今回立ち上げるブランドは、ファッション性を打ち出して、ほかとは違うちょっといいものを持ちたいという30代以上の女性をターゲットにしています。
iPhoneケースだけでなく、雑貨も展開する予定で、今回はiPhoneケースとパスケース、キーケースといった、女性がカバンに入れるものを展開します。単価は安くないのですが、こだわって使いたいような、働く女性がターゲットのブランドです。
季節ごとに商品を出す予定で、そういった意味でも、雑貨や洋服に近い位置づけです。
――本日はお忙しい中、ありがとうございました。