【Mobile World Congress 2014】
ローエンドWindows Phoneの取り組みを強化するマイクロソフト
(2014/2/24 13:08)
2月24日(現地時間)から開幕するMobile World Congressに先がけ、マイクロソフトは23日(同)に記者会見を開催。Windows PhoneやWindowsの最新バージョンに関する発表を行った。
2013年のWindows Phoneの実績については、Vice Presidentのジョー・ベルフィオーレ氏が語った。べルフィオーレ氏が示したデータによると、6つの市場では10%以上のシェアを獲得し、9つの市場でスマートフォンOSとして2位の地位を獲得した。インドやブラジルなど、iPhone以上の販売実績を得た市場も、10あったという。新興国市場で徐々に存在感を得ている一方で、「イギリスでも12月には3番目のベストセラーになった。Lumiaは新興国市場においてローエンド端末で実績を出しているが、それだけでなく全世界で上手くいっている」(同氏)という。
ベルフィオーレ氏によると、特に成長が著しいのは中東やアフリカ市場で、Windows Phoneは前年対比で758%も拡大した。ラテンアメリカでも148%と成長を続けている。アジア地域での拡大も急速になっており、2013年は105%を記録した。ただし、このアジア地域のデータに、日本は含まれていない。
こうした販売動向を受け、マイクロソフトはよりローエンドの端末を作りやすいよう、Windows Phoneの“規制”を取り払っていく構えだ。現状ではハードウェアに検索やバック、Windowsキーといった3つのボタンが必要だが、「ソフトウェアキーをサポートすることで、それがなくなる」(同)。カメラ用のキーについても、「必要条件ではなくなる」(同)という。チップセットはローエンドからミッドレンジに向けたSnapdragon 200やSnapdragon 400をサポート。メモリ、ストレージの最低要件も512MB、4GBに拡大する。こうした結果、Windows Phoneは現在のAndroidと同じハードウェアで動作させることも可能になるという。
主に中国市場に向けた取り組みとしては、TD-LTEやTD-SCDMAをサポート。2枚のSIMカードを認識し、2回線同時に待ち受けすることが可能になる「デュアルSIM」にも対応していく。デュアルSIM端末では、電話やメッセージのタイルが2枚表示され、どちらの電話番号を利用するのかがわかりやすくなるという。
このようなローエンド端末向けの仕組み作りとともに、メーカーも拡大していく。現時点ではWindows Phoneを開発する主なメーカーはノキアやHTC、ファーウェイで、サムスン電子もWindows Phoneのラインナップを持つ。ここに、ZTEやレノボといった中国メーカーが加わるほか、LGエレクトロニクスもWindows Phoneの開発に最参入する見込みだ。LONGCHEERやGiONEEといった新興メーカーも加わり、低価格帯の端末を強化していく。
端末開発の敷居を下げる取り組みとして用意されたのが、クアルコム・リファレンス・デザインだ。これは、クアルコムがチップセットを組み込んだハードウェアを用意し、ソフトや外観にわずかなカスタマイズを加えて出荷する仕組みのこと。メーカーにとっては、コストを下げると同時に、出荷までの時間を短縮するメリットがある。クアルコムはAndroidを搭載したリファレンスデザインを展開しているが、これをWindows Phoneにも拡大する。
このほか、マイクロソフトのプレスカンファレンスではWindows 8.1の最新アップデートも紹介された。最新バージョンではマウスやキーボードを使った際の操作性が改善されるといい、アプリ切り替え用のタスクバーも搭載される見込みだ。