【Mobile Asia Expo 2014】

「第3のOS」も上海に結集、Firefox OS搭載の「Flame」やUbuntuスマホも

 「Mobile Asia Expo」には、AndroidでもiOSでもない、「第3のOS」として注目を集めるFirefox OSや、Ubuntuを搭載したスマートフォンも出展されていた。

MozillaはFirefox OS端末を出展
Ubuntu搭載スマートフォンも展示されていた

日本で発売予定のリファレンスモデル「Flame」も出展

 Mozillaのブースには、Firefox OSを搭載したスマートフォンが一堂に会していた。日本で近日発売予定(※関連記事)なのが、開発者向けのリファレンスデバイスである「Flame」。中国メーカーのTCLが開発し、テスト用にメモリ(RAM)を256MB~1GBまで、自由に変更できるのが特徴となる。CPUにはクアルコムの「Snapdragon 200」を採用。LTEは利用できないが、NFCやBluetoothなどには対応する。ディスプレイは4.5インチのフルWVGA、背面に5メガピクセルのカメラを搭載する。

リファレンスモデルとして日本での発売も決定した「Flame」
右側面には音量キーを搭載する
背面はマットな仕上げで、指紋が目立ちにくい。背面には5メガピクセルのカメラを搭載
底面には充電やデータ通信用のmicroUSB端子を備える
上部には電源キーやイヤホンジャックを搭載

 Flameは中国などで一般的な2枚のSIMカードが刺さる「デュアルSIM」仕様となっている。会場の説明員によると、2回線で同時に待ち受け可能な「デュアルスタンバイ」に対応するが、片方が3G、もう一方がGSM(2G)になる。日本で発売される際には、1スロットしか利用できないと考えてよさそうだ。同端末はリファレンスデバイスとして技適など各種認証を取得した状態で発売されるため、Firefox OS用のアプリを開発する開発者は、通信も利用したフル機能をテストできる。

SIMカードが2枚刺さる「デュアルSIM」仕様となっている
NFCに対応。NFCを利用したアプリも開発、テストできる
アプリやWebのコンテンツを横断的に検索する「Everything.me」。Firefox OSの売りの1つだ

 Mozillaのブースには、ほかにも発売済みのFirefox OS端末が複数並べられていた。2月に開催されたMobile World Congressで発表されたのが、デュアルコアCPUを搭載した「ALCATEL Fire C」。Flameと同じTCL製のスマートフォンで、3.5インチのHVGAディスプレイを搭載した新興国向けの端末だ。より高機能なのが、同じTCL製の「ALCATEL Fire E」。QHDの4.5インチディスプレイを搭載し、カメラの画素数も5メガピクセルとなる。また、ファーウェイ製のFirefox OSスマートフォン「Y300II」もブースに展示されていた。

コンパクトモデルの「ALCATEL Fire C」
「ALCATEL Fire C」より大きな4.5インチディスプレイを搭載した「ALCATEL Fire E」
ファーウェイもFirefox OS端末を開発

Ubuntuは中国メーカー「Meizu」と提携、端末も出展

 「Ubuntu for Phone」は、2013年のCESで発表されたスマートフォン向けのOS。当初の予定より端末のリリースが遅れていたが、2月に開催された「Mobile World Congress」に合わせ、中国メーカーのMeizuと提携することが明かされた。

スマートフォン向けに最適化されたUbuntu。提携メーカーのMiezuの端末にインストールされていた

 Mobile Asia Expoには、MeizuのスマートフォンにUbuntu for Phoneがインストールされた状態で出展されていた。ブースの説明員によると、このモデルはテスト用とのこと。Meizuが端末を発売するのは、「年内を予定している」という。

 このほか、Ubuntuのブースには、アドバイザーとなる海外キャリアの名前が並べれられていた。米国Verizonや、英国EE、韓国KTなど全15社からなるグループで、これらのキャリアからも「来年以降端末が発売される可能性がある」という。

複数キャリアからなるアドバイザリーグループも設置されている

石野 純也