【IFA2016】

スマホ~ウェアラブルまで続々、alcatel、ファーウェイ、サムスンの注目デバイス

 ソニーモバイル、ファーウェイ、サムスン電子、ASUS、ZTEなど、スマートフォン、スマートウォッチの発表が相次いだIFAだったが、これらのメーカーのブースには、それ以外の機種も展示されている。

 また、主要メーカーの中には、展示のみでプレスカンファレンスを開催していないところもある。ここでは、IFAに展示されていたスマートフォンやその周辺製品の中から、注目のモデルをピックアップしていきたい。

新ラインの「SHINE LITE」を発表したalcatel

 alcatelブランドのスマートフォンを手掛けるTCLは、IFAの開催に合わせ、「SHINE LITE」を発表した。プレスカンファレンスなどは行われなかったが、TCLのブースにはこの新モデルが展示されていた。

新シリーズとしてTCLが投入するalcatelの「SHINE LITE」

 TCLは、これまで、POPシリーズやIDOLシリーズといったスマートフォンをラインナップしてきた。日本では、SIMフリースマートフォンとして「IDOL 3」を2015年8月に発売。2月にスペイン・バルセロナで開催されたMobile World Congressでは、その後継機となる「IDOL 4」「IDOL 4S」を発表していた。

 SHINE LITEは、これらのモデルに比べ、より女性色を強く出したスマートフォンで、金属のフレームや2.5Dガラスを採用したうえで、セルフィーの機能を強化している。フロントカメラは5メガピクセルと、突出して数値が高いわけではないが、フラッシュを搭載しており、暗い場所でもキレイにセルフィーが撮れる仕様。Instagram風に、複数枚の写真を縦、横に並べて撮るモードも用意されている。

セルフィー用のフラッシュを搭載
Instagram風の加工機能も内蔵

 スペック的には、いわゆるミッドレンジのスマートフォンで、チップセットにはメディアテック製の「MT6737」(クアッドコア、1.3GHz)を採用。16GBのROM、2GBのRAMを搭載し、microSDカードもサポートする。背面には指紋センサーも搭載。画面ロックの解除が可能なほか、アプリの起動も行える。

背面には指紋センサーを搭載する
SHINE LITEのスペック
スタンドアローン型のVRヘッドマウントディスプレイ「Alcatel Vision」。OSにはAndroidを採用する

 スマートフォン以外では、Androidを採用したスタンドアロン型のVRヘッドマウントディスプレイ(HMD)の「Alcatel Vision」が注目を集めていた。Alcatel Visionは、1Kずつ、合計2Kの解像度を持つHDMで、コンテンツは同社のプラットフォームからダウンロードできるという。通信機能はLTEに対応する。チップセットはオクタコアCPUを搭載したもので、会場の説明員によると、「Galaxy S6と同じ」だという。詳細は記載されていなかったが、「Exynos 7420」のことだと思われる。

ファーウェイは「P9」新色の実機を展示、「honor」の最新機種も

 9月1日(現地時間)に、ミッドレンジスマートフォンの「nova」シリーズを2機種発表したファーウェイ。同社のブースでも、これらの端末が公開されていたほか、1日に発表され、実機が未公開だった「P9」のレッドとブルーも展示。7月に発表された「honor」シリーズの最新モデル「honor 8」のコーナーもあり、来場者にフルラインナップをアピールしていた。

ミッドレンジ端末の「nova」
5.5インチモデルの「nova plus」

 P9のレッド、ブルーは、プレスカンファレンスの写真より、やや色味が薄い。実機で見ると、たとえばブルーは鮮やかな青というよりは、やや水色に近い色合いだ。ただし、いずれのカラーも、光の当たり方によって、その表情が大きく変わってくる。以下の写真のように、光の角度によっては、レッドも鮮やかな赤に見えることがある。スペックは、日本で発売中のP9と同等。ライカブランドを冠した、デュアルカメラを搭載する。

「P9」には、新色のレッドとブルーが追加された
別ブランドのフラッグシップモデル「honor 8」。8月には米国での発売も決まった

 Novaシリーズ、P9以外で注目を集めていたのが、honorシリーズの最新機種であるhonor 8。同モデルはフラッグシップ向けのチップセット「Kirin 950」を搭載したスマートフォンで、背面には、P9と同様、2基のカメラを搭載している。ただし、こちらはライカとのコラボではなく、ブランドも冠していないなどの違いがある。

デュアルカメラ搭載で、後からピント位置の変更が可能。ただし、ライカブランドでは使われていない

 ディスプレイは5.2インチで、解像度はフルHD。32GBのROMと、4GBのRAMを搭載する。カメラの仕様やスペックはP9に近いが、チップセットやRAMのスペックが異なっているほか、デザインも異なる。金属素材を用いたP9に対し、honor 8は両面に2.5Dガラスを採用。カメラもデュアルカメラだが、P9よりも本体になじむ形で実装されている。

サムスンブースは社内ベンチャー開発の製品が斬新

 サムスンは、8月に発表した「Galaxy Note 7」の展示に、大きなスペースを割いていた。一方で、既報の通り、同社はバッテリーの発火を理由としたリコールを発表。IFAが開催されるドイツでも、9月上旬から発売する予定だったが、大手キャリアはすでに販売を停止している。ただし、ブースでは端末が撤去されるなどの気配はなく、来場者は実機を操作することができた。

Galaxy Noteシリーズの最新モデル「Galaxy Note 7」。Sペンの性能が大幅にアップした

 新しさという点では、同社の社内ベンチャーが開発した製品が目を引いた。サムスンには、「Creative Lab」と呼ばれる社内ベンチャー育成プログラムがあり、既存の製品とは異なるアプローチの開発が行われている。Kickstarterなど、ベンチャー企業、スタートアップと同じ手法で出資を募るのも特徴だ。wena wristやFES Watchを生み出した、ソニーの「Seed Acceleration Program」に近いプログラムと言えば理解しやすいかもしれない。

 このCreative Labが開発、IFAの開幕と同時にKickstarterで出資を開始した製品の1つが、リストバンド型デバイスの「SGNL」。18~24㎜の腕時計用バンドとして使用でき、アプリを経由して、スマートフォンの通知を受けたり、歩数をカウントしたりすることが可能だ。それだけなら同じようなデバイスは多数存在するが、SGNLの特徴は、骨電動で音声を耳に伝えられるところにある。

Creative Labが開発した「SGNL」。既存の時計に組み合わせ使うことができる。骨電動で耳に指を当てるだけで、相手の声が聞こえる
通知を知らせるだけでなく、歩数などのカウントも可能

 着信を取った上で、SGNLを装着した腕の指を耳の穴に入れると、骨を伝わり、音声が聞こえるようになる。SGNLにはマイクも搭載されているため、そのままの状態で声を出せば、相手に音声を伝えることもできる。既存の腕時計をスマートデバイス化し、なおかつヘッドセットとしても利用できる製品と言えるだろう。SGNLはすでにKickstarterでクラウドファンディングを開始しており、目標額も達成。目標の5万ドルに対し、9月5日(現地時間)時点で、39万ドル以上の投資が集まっている。

 このほか、Creative Labのブースには、1月に米・ラスベガスで開催されたCESに展示されたスマートベルト「WELT」も出展されてた。WELTはベルト型のスマートデバイスで、ユーザーのウェストや、各種運動データを計測可能。SGNL同様、IFAに合わせてKickstarterでの資金調達が開始された。

スマートベルトの「WELT」