【Embedded Technology 2009】
WILLCOMコアモジュールフォーラム、W-SIM活用デモ披露


NFC対応のArmadillo

 11月18日~20日の3日間、パシフィコ横浜において、組込機器関連の展示会「Embedded Technology 2009」が開催されている。WILLCOMコアモジュールフォーラムのブースでは、Androidを搭載したW-SIM対応組込機器開発キットに、NFCを搭載したデモや、W-SIM搭載のリファレンスデザインをセンサー制御装置として用いるデモなどが実施される。

 昨年のWILLCOMコアモジュールフォーラムのブースでは、アットマークテクノ社の組込機器開発キット「Armadillo-500 FX」上でAndroidを動作させるデモが行われた。今回同ブースでは、Android搭載のArmadilloにNFCを搭載し、かざすインターフェイスを使ったデモを披露する。

 デモは、「CEATEC JAPAN 2008」で展示された千葉工業大学の学生による患者用情報機器「releaf」の発想を元にしたもので、診察券を端末にかざすことでユーザー情報を認識し、サーバーから待ち時間の情報や、総合病院などでは次に診察すべき場所の情報などが取得できる。リファレンスモデルとなるが、今回はより現実的なソリューションが提案されている。


総合病院を想定時間になると診察室の番号が

 また、ショウ エンジニアリングは、W-SIM対応のリファレンスデザインを使ったセンサー制御装置を展示。携帯電話やパソコンなどを利用してW-SIMを搭載したセンサー制御装置にアクセス電球のON/OFF、遠隔地にあるカメラをコントロールするデモなどが実施されるほか、Bluetooth対応の体重計や血圧計などと連動し、データをセンサー制御装置からパソコンなどに送るデモなども行われる。


センサー制御装置のデモW-SIM対応組込機器のリファレンスデザイン

温度センサーが異常な温度を検知、W-SIM搭載の制御装置が登録されたメールアドレスに通知こちらはパソコンに通知された高温のデータ携帯側から制御装置にアクセスし、自宅や工場など遠隔地の機器をコントロール

スカイワーカーズのセンサー認識技術

 このほかスカイワーカーズは、センサー認識技術をデモを展開。スティック状のコントローラーを動かすと、実空間上の上下左右奥行きを認識して3D空間上に反映させるというもの。遠隔地にある同じシステムと相互にインタラクティブなやりとりが行える。事前に披露されたデモでは、システム間の通信にW-SIMが用いられ、32kPIAFSでデータのやりとりが行われていた。この仕組みを応用すれば、遠隔地からロボットなどの操作することなどが可能になるほか、ゲーム機器などへの採用も想定しているという。

 スカイワーカーズでは、こうしたセンサー認識技術を応用して、壁などにプロジェクターなどを使って投影したスクリーン上に自由に絵がかける技術なども持っている。直感的で描いていけないものに描ける楽しさがあり、今後通信を絡めた展開などに期待される。

 WILLCOMコアモジュールフォーラムでは、今回のデモのように、大量の通信を必要しない組込機器へのW-SIM導入に向けて取り組んでいく方針。組込需要に対応したより導入障壁の低い料金プランの導入にも期待される。

スティック状のコントローラーを操作するとモニターには、それと呼応するように3D球体が動き出す。上下左右奥行きを認識する黄色球体は自分が動かしているスティック、灰色球体は遠隔地にいる相手のスティック。32kPIAFSで双方向通信を実現している

センサー技術の応用例。プロジェクターを投射した畳の上に擬似的に落書き。もちろん畳には影響はないスプレーツールなども用意されていた平面だけでなく立体物の上にも絵が描ける

 



(津田 啓夢)

2009/11/18/ 15:01