【2015 International CES】
可能性に期待集まる、CESで見つけたグラス型ウェアラブル
(2015/1/16 12:14)
顔や頭に装着するヘッドマウントデバイスは、2015 International CESではそれほど多くは展示されていなかった。その一方で、このジャンルの製品は、たとえばハンズフリーで映像を見られる、作業ができるといった使い勝手もあって、ウェアラブルデバイスの中でも将来が期待されている分野だろう。
EPSONのブースでは「BT-200」関連を展示。BT-200は両眼・透過型のディスプレイとAndroidベースのOSを搭載し、ディスプレイ部と本体・コントロール部分が分離した形状となっている。ARや映像表示など、幅広い用途を想定した汎用端末で、すでに日本でも販売されている。今回は、本体そのものよりもサードパーティ製の製品やソリューションを多数紹介。BT-200がプラットフォーム化していることをアピールしていた。
たとえばROCHESTER OPTICALによるBT-200向けのさまざまなデザインのアウターレンズ・インナーレンズ群もある。アウターレンズは元々付いているネジを磁石付きのものに交換し、着脱できるようにしているようだ。
Vuzixでは、片眼・非透過型のディスプレイとAndroidベースのOSを搭載する「M100」を展示。一般向け製品ではなく、製品としてはそれほど新しくないが、ハードウェアとしての完成度が高く、さまざまな用途で利用されている。日本でも開発者向けに販売され、NTTドコモもM100向けソリューションを開発している。
日本企業が手がけるヘッドマウントデバイス「InfoLinker」は、片眼式ディスプレイで本体は一体型、主に産業用途を想定。QRコードを読み取り、ARで表示するというデモを行っていた
「Optinvent」は、片眼・透過型ディスプレイとAndroidベースのOSを搭載するARグラスを手がける。業務・開発向けモデルの「ORA-1」は価格が949ドル(約11万円)と、一般向けではない製品としてはまずまず安価な部類。視野角が広めで、デバイスごとディスプレイを下にずらし、視界からディスプレイを除くこともできる
ODGのコンシューマーモデル「TOMMOROW」。法人モデルは約5000ドル(約58万円)と高額だが、コンシューマーモデルは1000ドル(約11万6000円)以下を目指しているとのこと。もともとは軍事や業務向けの製品とされる。OSはAndroidベースでSnapdragon 805を搭載する。
日本のJINSは開発者向けデバイス「MEME」(ミーム)を展示。ディスプレイなどはない入力デバイス。一見するとただのメガネだが、中に各種センサーが内蔵されていて、頭の動きや眼球の動き、瞬き、歩数などを測定できる。スマホと連動し、その人の状態を表示するデモも行われていた。
Avegantのヘッドマウントディスプレイ「GLYPH」。ディスプレイのみで、モバイル製品ではない。普通のヘッドセットのようにも使えるが、バンド部を前にすると、映像を見られる。映像は網膜に投影するのでメガネをかけていても大丈夫とか。実機の展示は行われていなかった。Kickstarter発の製品だが、ファンディングは成功済みで、現在は499ドル(約5万8000円)で予約受付中。
ヘッドマウントデバイスとしては、モバイル向けではないが、広視野角・視野追従のVRディスプレイもトレンド。そのトレンドの中心とも言えるOculus(現在は開発者向けキットを販売中)は、次世代製品「Crescent Bay」の体験デモを実施、ブース周辺には長い行列ができていた。映像閲覧には向かないが、仮想空間で非常に高い没入感を得られることが特徴。なお写真は全方位に疑似歩行ができる「Virtuix Omni」を組み合わせたデモ。ブーススタッフがガシャンガシャンと走っている。
ソニーは両眼・透過・単色型でヘッドマウント部と本体が分離している「SmartEyeglass」と片眼・透過・カラー型でヘッドマウント部に本体が集約されている「SmartEyeglass Attach!」(写真)の2つのヘッドマウントデバイスを展示。具体的な商品化の予定が決まったものではなく、プロトタイプの参考展示という形式。東芝も片眼・透過型のヘッドマウントデバイスのプロトタイプを展示しているが、身軽なスタートアップ企業の方が製品化の動きは一歩早い印象だ。