【2014 INTERNATIONAL CES】

インテル、SDカードサイズのワンボードコンピューター

インテルブース

 2014 International CESにおいて、インテルは前日のキーノートカンファレンスで発表した、SDカードサイズのコンピューター「Edison」を展示している。

 「Edison」は、小型機器の組込向けワンボードコンピューター。デュアルコアで400MHz駆動のCPU「Quark」のほか、メモリやストレージ、Wi-Fi、Bluetooth、電源回路などが、SDカードと同じサイズのにおさめられている。LinuxなどのOSを動作させることができる。

 一般的なユーザーが単体で購入して利用するような製品ではないが、小規模なメーカーや個人開発者がウェアラブル機器やインターネット連動機器などを開発するとき、インテリジェント部分にEdisonを使うことで、開発・部品・製造などのコストを削減しつつ、機器を大幅に小型化できる。

Edison本体
Edisonについて
同じプロセッサーを搭載するGalileo

 インテルではすでにQuarkプロセッサーを利用した製品として、「Galileo」を販売している。「Galileo」は、電子工作分野で広く普及している「Arduino」と互換性のある開発用ワンボードコンピューター。個人レベルの電子工作では、Arduino互換のボードが広く利用されているが、Arduino互換のボードは名刺2枚ほどのサイズが一般的で、さらなる機器の小型化のネックとなっていた。Edisonの登場により、個人レベルの電子工作や小規模メーカーによる小型製品の分野で、これまでにない小さな機器、あるいは、まったく新しいコンセプトの製品の登場が期待される。

Edisonを実際に使った「Mimo」(服についているカメ型のデバイス)

 Edisonの販売はまだ開始されていないが、単体での価格はGalileoなどと同程度(60ドル程度、約6300円)になる見込みだという。

 Edisonを内蔵する製品としては、Rest Deviceというメーカーが「Mimo」というウェアラブル機器を1月から199ドル(約2万900円)で販売を開始する。これは赤ん坊向けのモニタリング機器で、カメ型デバイスの中にEdisonが内蔵されている。

 インテルでは同時に「Make It Wearble」というコンテストを行うことも発表した。これはまったく新しいウェアラブル機器のコンセプトを競うコンテスト。来年の1月の受賞者発表に向け、1年をかけて審査などが行われる。アイディアを競う「Visionary」と製作された機器で競う「Development」の2つの部門があり、複数の受賞者に総額130万ドルの賞金と技術やビジネス面でのインテルによるサポートが与えられる。なお、Edisonなどのインテル製品を使うことは応募条件には含まれていない。

 このほかにもインテルのブースでは、前日に発表された3D認識カメラやインテル製のチップを搭載したスマートフォン、タブレット、パソコンなども展示されていた。

インテルのAtom Z2580を搭載するLenovo K900
サムスンのGALAXY S4はインテル製モデムチップ搭載製品として展示されていた

白根 雅彦