【2013 INTERNATIONAL CES】

ユニークな製品が多数揃ったCES Unveiled

 米国ラスベガスで1月8日(現地時間)から開催される家電の総合見本市「2013 INTERNATIONAL CES」に先がけ、1月6日には「CES Unveiled」というプレス向けのイベントが行われた。CES Unveiledは、CESに参加する各社が注目製品を持ち寄って公開するというCES公式のイベント。CES Unveildに参加するのは、独自に発表会を行わない中小メーカーが中心で、中小のメーカーによるスマートフォンやタブレットのユニークな周辺機器が多く展示されていた。

Lenovoのスマートフォン

 スマートフォン自体としては、Lenovoが中国市場向けのスマートフォンとして、5インチディスプレイ・クアッドコアプロセッサ搭載のハイエンドモデル「IdeaPhone K860」や3500mAhバッテリ搭載のデュアルSIMモデル「IdeaPhone P770」などを展示していた。いずれも中国市場向けに発表済み・発売済みの製品だが、今後は中国以外の市場での展開も発表されるという。

5インチディスプレイのIdeaPhone K860
大容量バッテリ搭載のIdeaPhone P770

オーディオ関連機器も

PUREの「Jongo S340B」。こうしたオーソドックスなスピーカーの展示も多かった

 オーディオ関連のスマートフォン、タブレット向け周辺機器としては、ポータブルスピーカーが多く展示されていた。小ささや音質を売りにする製品も見られたが、中には太陽光発電パネルを搭載したEtonの「rukusXL」のようなユニークな機能を持つ製品も見られた。

EtonのrukusXL(左)。太陽光発電でスマートフォンを充電
PULSのBluetoothオーディオ・ハンズフリースピーカー。専用ジャケットを使うとiPhoneの背面に装着できる
kubxlabのiPhone 5用ジャケット「ampjacket」。iPhone内蔵のスピーカーをラッパのような構造で増幅させる
BelkinのiPad用スタンド「THUNDERSTORM」。こちらもラッパのような構造で音を聞こえやすくする

 ION AudioはアナログレコードをiPhone/iPadに取り込むための製品やiPhone/iPadをDJ用のターンテーブルとして使うための周辺機器を展示していた。

レコードをデジタル取り込みする「iLP Lightning」。昨夏の製品でDockコネクタを利用
ION Audioの各新製品。スマートフォンと連携する製品を中心に展示

スマホでヘルスケア

 スマートフォンを使った健康管理機器も展示されている。病院向けの機器を手がけるMASIMOは、iPhone/iPadに接続できるパルスオキシメーター(皮膚の上から血流中の酸素量を測定する装置)「iSpO2」を紹介。医療機器というよりも、スポーツや健康管理のための製品とのこと。すでに米Amazonでは249ドルで販売されている。

「iSpO2」。センサーに指を挿入すると、数秒で測定が開始される
Dockコネクタ接続だが、純正アダプタを介してLightningコネクタ搭載iPad miniと接続してのデモも行われていた
HAPIfork

 健康管理へのユニークなアプローチとしては、HAPILABSがフォーク型デバイス「HAPIfork」を展示していた。HAPIforkは食事の時間やフォークの動いた頻度と間隔を測定することで、食事の速度が適切かどうかを診断し、健康管理や減量に役立てることができるという。2013年第2四半期に88ドルで販売される予定とのこと。

 HzOはコーティングによりスマートフォンやタブレットを防水加工する技術「WaterBlock」の展示を行っていた。ブースでは加工済みのスマートフォンやタブレットを水没させながら動作させるデモが行われていて、そのインパクトの高さから、多くの来場者の注目を集めていた。

水没しても動いているAndroidスマートフォン
デモの様子。カラフルな飲料にジャボジャボと漬けていく
Nectar。廃熱機構なども内蔵されている

燃料電池、3Dプリンタでジャケット

 Lilliputian Systemsはモバイル機器向けの燃料電池「Nectar」を展示していた。これは専用の燃料入りの「nectar pod」を付け替えることで利用するポータブル燃料電池システム。全体の重量は200gで、そのうちnectar podが35g。1つのnectar podで約55Whの出力が可能だという。55Whは3.7Vのリチウムバッテリであれば約15Ah相当で、スマートフォンの内蔵バッテリの10倍近い容量となり、“2週間分”と謳われている。

microUSB端子2個を内蔵する「Jolt 2000m」

 myChargeは充電端子を内蔵する外付バッテリーシリーズを展示していた。モデルごとに内蔵する端子は異なるが、microUSBとLightning端子の両方を備えるモデルや、コンセントに差し込んで直接充電できるモデルなど、幅広い製品ラインナップを展示していた。

3Dプリンタで成型されたジャケット

 Sculpteoは3DプリンタでiPhoneジャケットを成型する専用アプリを展示していた。3Dプリンタは任意の形状の立体物を樹脂などを積層させて作り出す技術。実際に3Dプリンタで作成したさまざまな形状のケースが展示されていた。

M100を装着した様子

 Vuzixはスマートフォン向けのヘッドマウントディスプレイ「Smart Glasses M100」の展示を行っていた。M100はOMAP 4を搭載した端末で、Wi-FiやBluetoothでAndoridやiOSと連携できるほか、M100自身もGPSやカメラ、microSDカードスロットを搭載し、単独でさまざまな機能を利用できる。SDKも用意され、商用アプリも提供できるという。ディスプレイ自体は16:9という比率、WQVGAという解像度で、14インチ(約35cm)の距離から4インチの画面を見る場合と同じサイズで見えるという。2013年半ばまでに出荷される予定とのこと。

M100(モックアップ)
M100のディスプレイ部分

白根 雅彦