【CEATEC JAPAN 2013】

ユーザー動向をまちおこしに活かすドコモの「モバイル空間統計」

 「CEATEC JAPAN 2013」のドコモブース内では、ドコモが取り組んでいる「モバイル空間統計」の展示がある。「モバイル空間統計」とは、携帯電話の通信ネットワークの仕組みを用いて作成される“人口の統計情報”で、地域ごと、時間ごと、年齢、性別、居住エリアなどを算出し、統計データを作成する技術。ドコモはこの技術を10月より商用化するとしている。

 すでにいくつかの採用事例がある。埼玉県がドコモの「モバイル空間統計」を利用し災害時の主要駅周辺の混雑具合や帰宅困難者となってしまう人数がどれほどになるかなどをシミュレートし、対策を検討するための情報として用いられている。また、沖縄県では観光事業において、施策を検討する際にこの技術を用いているという。

 国勢調査では、5年に1度大規模に調査をしているという。しかし、いつ、どこに、どのようなセグメントで人口が分布されているのかといった詳細な情報を1時間ごとに集計できる技術というのは貴重で、今後は、まちおこしや復興などにも役立てて欲しいとアピールしている。

モバイル空間統計による人口分布
観光事業における活用事例

 ドコモは、集計した情報をもとに個人を特定することはできないため、個人情報ではなくあくまでも“統計”としている。とはいえ、プライバシーの観点で、気にするユーザーについても考慮している。ドコモのユーザー向けに、統計からの排除を申し出ることのできる窓口も用意し対応しているという。

川崎 絵美