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アクセンチュア、モバイルの活用による経営管理の高度化を解説
アクセンチュアは、スマートフォンやタブレットなどを用いて企業の経営の変革を支援していくモビリティ サービスの本格的な展開を開始した。3日に開催された説明会には同社のモビリティ サービス グループ統括 エグゼクティブ・パートナーに就任した清水新氏が登壇し、同社のモビリティ サービスを解説した。
説明会の冒頭には、アクセンチュア モビリティ サービス グループ アジア・パシフィック統括 エグゼクティブ・パートナーのJung-Wook Kim氏が挨拶を行い、経営コンサルティングを核にしながらも、さまざまな分野にビジネス領域を拡大していることを紹介。スマートフォンやタブレットなどスマートデバイスの活用で経営管理の変革を支援するというモビリティ サービスは、同社が手がける主要な5つの事業領域のすべてにまたがるものとされ、「グローバルでみても注力していく領域」とグローバルで組織が構築されているという。この組織の中にはNokiaから移籍した3000人も含まれているとのことで、専門性の高い人員を揃えている。
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アクセンチュア モビリティ サービス グループ アジア・パシフィック統括 エグゼクティブ・パートナーのJung-Wook Kim氏 | モビリティ サービスは5つのビジネス領域にまたがる |
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アクセンチュア モビリティ サービス グループ統括 エグゼクティブ・パートナーの清水新氏 |
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モビリティ サービスの3つの分野 |
清水氏からは、同日行われる関係者向けの講演から抜粋する形で要点が語られ、アクセンチュアのモビリティ サービスとして提供する3つの分野、「Testing as a Service」「エンタープライズ・モビリティ」「M2M領域」のうち、「Testing as a Service」「エンタープライズ・モビリティ」の2つを中心に解説した。
「Testing as a Service」は、スマートフォンの普及、特にAndroid端末の種類が増えたことで、品質を維持する上で機種ごとのテストが欠かせない状況になっていることに対応するもの。同サービスでは、スマートフォンの実機を用いて、手動および自動による動作検証がリモート操作で行え、アプリ開発現場に向けて提供される。検証施設は東日本大震災の復興支援を兼ね、会津若松大学の中に設置されており、施設の人員は現地雇用も行っている。また、この施設はNTTドコモと共同で設立されている。このほか、テスト用施設は世界9カ国に用意され、400機種を用意。日本からも利用できる。同サービスは別途デモも行われた。
「エンタープライズ・モビリティ」は、企業のシステムにスマートデバイスを導入することで、経営管理レベルでの変革を支援するというもの。スマートデバイスにより、細かく、リアルタイムの情報が現場から届けられる環境においては、従来型の経営管理システムでは鮮度を保ったまま情報を活かすことが難しいため、段階的に企業経営のプロセスの改革を支援する。
■情報を活用しないと「ソーシャルデバイド」で取り残される
清水氏は、スマートデバイスの登場とソーシャルサービスによって市場に起こっている変化にまず言及し、「これまではデジタルデバイドといった言葉があったが、これからはソーシャルデバイド」と、ソーシャルサービスの活用が成否を分ける重要な要素になるとする。
同氏は「ユーザーの力によって、企業は新しいマーケティングを得た。コンシューマーはとっくに賢くなっており、企業はそれに追随しなければならない。これまでとは逆」と指摘する。また、ユーザーの購買プロセスも、ソーシャル時代では購買後の行動も活発で、インターネット普及時代からもう一段階変わるとした。
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■「最前線の情報が重要。日本企業は20年遅れている」
清水氏は、同社が提供するエンタープライズ・モビリティには3つの段階があるとし、第1段階がコミュニケーションツールとしての活用、第2段階が部署内での生産性向上への取り組み、第3段階は新しい経営管理モデルの確立や、市場の見える化の推進になるとする。
「ポイントは、最前線の情報。(典型的な日本企業では)経営層に来たときには鮮度の古い情報になっている。グローバル企業では報告を全くさせない場合も多い。現場がスマートデバイスを持ったら、マネジメント層まですぐに情報が上がる」と、清水氏は業務プロセスにおける情報の扱い方が重要になるとする。また、第2段階にもある生産性の向上といった取り組みでは、業務プライオリティの指定や標準プロセスの設定により、優先順位の明確化と、業務の進め方を人に依存しない形で定義することが重要になるとし、例えば営業部の人員なら、有能~無能の中間に位置している、約60%の人員をいかに標準化し効率を上げるかがポイントになるとした。
エンタープライズ・モビリティが目指す第3段階の経営モデルの高度化については、先進的なグローバル企業が採用してきた経営モデルの変遷を紹介。2000年代後半以降は、(各国の市場など)ローカルに権限を移譲しつつグローバルで経営資源などを最適化する「スーパーグローバル・スーパーローカル」の時代とする。清水氏は「日本の経営報告書は死亡診断書。1カ月前の結果を報告しているが、グローバルでは6カ月先の情報を予測する」とし、日本企業の経営管理モデルは「先進企業と比較して20年遅れている」と指摘した。一方で、こうしたモビリティの導入は経営管理モデルを組み替える絶好の機会であるとしている。
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■「Testing as a Service」のデモ
2012/8/3 16:02