日本IBM、LotusLiveを機能拡充しタブレット端末に対応

　日本IBMは、法人向けのコラボレーション・サービス「LotusLive」を日本のデータセンターから利用するユーザー向けに機能を拡充し、これまで提供されていなかった電子メール機能を含む、すべてのサービスの提供を開始した。また、12月14日からは最新版の「LotusLive 1.5」の提供が開始された。利用料は従来のままで、1人あたり年間9009円。

　新たに提供される「LotusLive 1.5」では、コミュニティの所有者権限の移譲が行えるなど、ソーシャル・ビジネス機能が強化される。また、利用状況を管理者が確認できる機能や、共有されているファイルを共有禁止にできるなど、ガバナンス強化を目的とした管理権限が強化されるほか、ドラッグ＆ドロップで文章を移動できるといった操作性の向上も図られる。

　同社ではまた、バージョンアップを含めて、スマートフォン・タブレット端末向けアプリの提供も行っている。個人所有の端末を企業ネットワークに接続できるようにする企業が増えていることを受け、積極的に開発されており、iPhone、Androidに加えて、タブレット型端末としてiPadに対応する。「IBM Connections」（iPhone、iPad）、「LotusLive Meetings」（iPhone、iPad、BlackBerry、Android）、「IBM Sametime」（iPad、Android）、「IBM LotusLive Symphony Viewer」（iPhone、iPad、Android）、「Lotus Notes/Domino（Lotus Notes Traveler）」（iPhone、iPad、Android）、「WebSphere Portal」（画面をスマートフォンに最適化）が提供されており、アプリは各プラットフォームのアプリケーションストアからダウンロードできる。

■ソーシャルメディアをいかに活用するか

日本IBM ソフトウェア事業 ブランド・セールス＆オペレーションズ担当 執行役員のヴィヴェク・マハジャン氏

　14日には記者向けに説明会が開催された。日本IBM ソフトウェア事業 ブランド・セールス＆オペレーションズ担当 執行役員のヴィヴェク・マハジャン氏は、業績の良い企業の多くがソーシャルメディアを活用しているといったデータを紹介し、「企業がソーシャルメディアを使ってどう変革していくか。IBMはそういうチャレンジに対し、支援できる。Lotusだけではなく、完全なソーシャルメディア・ソリューションを提供している」とアピール。「ソーシャルメディアの重要なポイントは、継続的に、スピーディに発信することで、生産性を向上させるためにいかに活用するか」と語り、ソーシャルメディアの活用が企業の内外を問わず重要になっているとの見方を示した。

IBMが提供するソーシャルメディア・ソリューション	企業の組織にもソーシャルメディアの活用など変革が必要とした

日本IBM ソフトウェア事業 ロータス事業部長 理事の三浦美穂氏

　Lotusシリーズについては、日本IBM ソフトウェア事業 ロータス事業部長 理事の三浦美穂氏から説明された。同氏からは、Lotusのシリーズがライセンス提供型とクラウド提供型（LotusLive）の大きく2つの形態で提供されており、ソーシャル分野、メッセージング分野、ユニファイド・コミュニケーション分野の3つの分野を中心に展開されていることが改めて解説され、モバイル対応を強化している状況や、各アプリの機能などが説明された。三浦氏は、「クラウドとあわせて、モバイルにも力を入れている。モバイル対応は非常に重視しており、先行的に投資・開発していく」と語り、ソーシャルメディアを活用する上でも必須の手段として、モバイル向け展開を強化していく方針を明らかにした。

　同氏はこのほか、パソコンなどから利用する「Lotus Notes/Domino」に、「IBM Connections」のプロフィールとファイル機能を無料で追加・統合した施策を紹介。「ソーシャルにはステップがあり、踏み込んで欲しい最初の段階として、Lotus Notes/Dominoにソーシャル機能を付けた」とその意図を説明し、各方面でソーシャルメディアとしての機能を強化していく姿勢を示した。

LotusLive 1.5について	モバイル対応アプリを強化
「IBM Connections」（iPhone、iPad）	「LotusLive Meetings」（iPhone、iPad、BlackBerry、Android）
「IBM Sametime」（iPad、Android）	モバイル対応アプリを強化。Lotus Symphonyなど個人で利用できるものも
「IBM LotusLive Symphony Viewer」（iPhone、iPad、Android）	「Lotus Notes/Domino（Lotus Notes Traveler）」（iPhone、iPad、Android）
「Lotus Notes/Domino」には「IBM Connections」の一部機能が追加された	LotusLiveはキャンペーンを実施
「Lotus Notes/Domino」にもキャンペーンが用意される