スマートフォンに求める機能の第1位は「通信速度」~IDC調査
IT専門調査会社IDC Japan株式会社は10日、「2010年 国内ビジネスモビリティ市場 ユーザー利用実態調査」の調査・分析結果を発表した。調査はノートPCを導入している企業のユーザー1万1509人を対象に2009年12月から2010年1月にかけて実施した。
ビジネスモビリティとは、「オフィスの自席から離れ、仕事をする時に、ノートPC、携帯電話、スマートフォンなどの携帯情報端末を使って、オフィスにいるときと同様、またはそれに近い環境で仕事ができること」とIDCでは定義している。
IDCは、「現在のビジネスモビリティの主な端末はノートPCだが、今後スマートフォンは重要な役目を担う」と予測。スマートフォンに求められる機能としてクラウドなどにより、PCなどの環境を自動的に同期を行う機能を挙げている。
しかし、今回の調査結果では、スマートフォンに求める機能を優先度の高い順から並べると、1位通信速度、2位は軽量、3位はキーボード入力、4位は紛失時の機能停止、5位はメール送信、6位長時間駆動、7位OSという結果になった。この結果から、現時点では「情報共有機能より、快適な操作性が望まれている」と分析している。
ノートPCについては、ビジネスモビリティにおけるノートPCの活用で「生産性が50%以上向上した」との回答が63%と6割を超えた。しかし、社外にノートPCを持ち出して活用するユーザーは22.6%と全体の2割ほどにとどまり、8割弱のユーザーはノートPCを持ち歩かないことがわかった。
IDCではこの結果について、ビジネスモビリティの課題はセキュリティであると指摘。「欧米ではPCを持ち歩く、あるいは家庭で使うことはすでに当たり前となっており、本当に必要なセキュリティについて経営層が見直しを行ない正しく理解する必要がある。ビジネスモビリティの活用は企業の生産性向上、競争力強化に直結する」とセキュリティ問題でビジネスモビリティ活用が滞っている日本の現状について警告している。
ノートPCを持ち歩かない理由 |
2010/3/11 06:00