シンガポールでケータイショップ探し

KDDI総研 津久井聡一
 KDDI総研調査1部。専門はアジア、欧州等の通信市場。モットーは「To see is to believe」。


 皆さんはシンガポールにどういうイメージをお持ちだろうか? 1965年建国以来、建国の父リー・クワンユー現上級相のリーダーシップのもと、順調に発展し、街がきれいかつ規制が厳格で、何となく“おかたい”イメージがする。わずか710平方km(東京都は島部を除き1732平方km)の面積に約500万人(東京都並みの人口密度7000人/平方km以上)のマルチ民族国家だ。

 たくさんの日本人の観光客が行くオーチャード通り。SingTel、StarHub、MobileOneなど、通信事業者のショップがあり、とってもきれい。ブロードバンドやTVも含めた割引サービスがあるが、順番待ちの札を取り、短時間でテキパキ処理している。

 街中でメールしている人は殆ど見ないのだが、バス停ではみんなSMSをやっていて、何かな? と思ったら、気づいた。「バス停番号 バス路線番号」をタイプし、74744番にSMSを送ると、ほんの数秒で、次のバスが何分後に来るか返信があるのだ(詳しくはこちら)。これが、すごく効率的。

 香港に約5年住んでいたので、中国の方々が効率的に仕事・生活すること、make moneyに長けていることはよく知っている。中国人約75%のシンガポールが効率的で何の不思議もないのだけど、でも何か足りない。そうだ、電脳(computer)・手机(mobile)市場(ショップが集まっている秋葉原みたいなとこ)に行きたい。

 キャリアショップじゃなく、小売商がSIMロックフリーで売ってる端末と価格を両方とも見比べたい。シンガポール川南岸のチャイナタウンをまわっても見つからず、あきらめていたところ、シンガポール川北岸の中心街の北隣りにあった。

 Sim Lim Square(1 Rochor Canal Road, Singapore 188504)。「Singapore's Largest Electronics & Computers Center」との触れ込みどおり、ビルは大規模で活気があり、ケータイショップは1階の真ん中に数軒あった。香港や深センの市場に比べるときれいだ。

Sim Lim Square(筆者撮影)

 シンガポールにはLittle Indiaもアラブ人街もあり、人口比ではマレー人約14%、インド人約9%。東南アジアから活力を集めた結果、国際競争力や一人当たりGDPが日本より高いと喧伝されてるからには、人種が入り乱れている場所や雑踏の中古携帯販売店も見てみたくなった。

 現地の人に「Geyland Roadに」と言われ、行ってみたら、表通りに中古携帯販売店や修理店が数軒あった。ただ、裏通りは、ポリスや中国人、マレー人、インド人、タイ人、インドネシア人など、たくさんの人種がたむろしていて、身の安全には少々気を付けた方がよい印象も。

Geyland Road(筆者撮影)

 そんなわけで、“おかたい”というより、“かたくなる”シンガポール旅行記になってしまった。

(津久井聡一)

2010/2/24 09:00