本日の一品
短くなった鉛筆で楽しみながらエコを体験「TSUNAGO」
(2015/10/5 06:00)
筆記具の主流が鉛筆からシャープペンシルやボールペンに移行して久しい。しかしながら、鉛筆は小学生から大人までまだまだ根強い人気を需要を持っている。
そんな鉛筆ファンに人気を博した中島重久堂の鉛筆削り「TSUNAGO」は、エコとホビーの2つのマインドを満足させてくれる、現代にマッチしたプロダクトだ。
発売後しばらくは、きわめて品薄な状況だったが、今では生産も追いつき、市場の要求も安定してきたのか、街の文房具店の店頭にも並ぶようになった。
TSUNAGOは、手に持って筆記するには短くなってしまった鉛筆を加工し、複数の鉛筆を「つなぐ」ことで、再び使いやすい長さにすることができる、変形鉛筆削りだ。
パッケージを開くと、中に刃の入った鉛筆削り的なプラスチックの容器と取説が登場する。削りの内部にはどうも2箇所に仕様の異なる刃が取り付けられているようだ。内部を開いてみると、一般的な鉛筆削りと同じような刃と、鉛筆の中心をえぐるように配置された、少し長さのある鋭利な刃が見える
この2枚の形状の全く異なる刃を使って、複数の短くなった鉛筆を連結できるように加工できる。取説を見なくても、最上部の回転蓋をクルクルと回していると見えるアイコンで、なんとなくどういう順番で作業をやればよいのかわかってくる、なかなか優れたユーザインターフェースを採用している。
最初の作業は、短くなった鉛筆のお尻の方から、中央の芯をくり抜くような感じで穴を空けることだ。黒い回転蓋を回して”1”という数字が表示されたところで、その穴に鉛筆のお尻を挿入してゴリゴリと普段鉛筆を削る要領で時計回りに鉛筆を回転させる。
途中で一度くらい、TSUNAGO内部の鋭利なキリのような刃が正しく鉛筆の中央をくり抜いているかどうか見たほうが良いだろう。あとはもうただただ力作業だ。この最初の処理は頭は一切使わないが、根気とそこそこの腕力が必要だ。
鉛筆というものは、外側を大根の桂剥きのように薄く削り取るのにはそれほど力は必要ないが、内部をくり抜くのはなかなか骨が折れるもののようだ。筆者は途中で手が滑って力が入らなくなったので、太幅の大きなゴム輪を短くなった鉛筆の軸に巻いて急場をしのいだ。
鉛筆のお尻にストローのようにポッカリと丸い穴が空いたら完成だ。何の事前知識ないままに始めてしまった筆者は、お尻が丸く加工され塗装された一見高級そうな鉛筆を使ったのでちょっと失敗だった。鉛筆のお尻は、カットされて中央に芯が見える廉価なイメージのモノが最適だ。
さて、次にすることは、お尻に丸く穴の空いた鉛筆とジョイントする、別の鉛筆の先端加工処理だ。今度は回転蓋を2番に合わせ、普通に鉛筆を削る要領で、芯先部分を挿入しゴリゴリと削る。だいたい削れたと思う頃に取り出してみると、鉛筆の先は段差が付いて本体軸より遥かに細い部分ができているはずだ。
しかしよく見ると、その加工結果はあまりきれいではなく、少しバリが目立つ。そこで、またしても回転蓋を回して3番めの処理穴に芯先を挿入し、何回かグリグリと回転すれば、バリはスッキリと取れてくれる。
そして、先ほどお尻に穴を開けた鉛筆とドッキングすることができるはずだ。接着は、ホワイトボンドなどを使って確実に行うことが望ましい。時間がたって乾燥し、上手く接着されれば、はじめから1本の鉛筆だったかのように自然に持って筆記でき、鉛筆削りで削ってより長い期間使用することができる。
TSUNAGOは、本来なら廃棄していたかもしれない複数の鉛筆をつなぐ体験を通して、楽しみながら、現代人の“もったいない症”を克服でき、エコを実体験することのできる“モノよりコト”を超えた“モノとコト”の両方を楽しめる新時代の商品だ。
製品名 | 販売元 | 購入価格 |
---|---|---|
TSUNAGO | 中島重久堂 | 1620円 |