本日の一品

Siriも使える腕時計型ウェアラブル「ZeWatch2」

 昨年は、スマートフォンと連携するウェアラブルデバイスが続々と登場した年だった。まだスマートフォン自体ほど普及はしていないが、小規模メーカーだけでなく、大手メーカーも参入し、さまざまなコンセプトで製品化している。

 製品ジャンル自体がはっきり成立していないせいで、製品ごとに「できること」が全然違ったりする。Android Wearのようにアプリ次第でいろいろできる製品もあれば、通知やトラッカーに機能を絞っている製品もある。

 ZeWatch2はアクティビティトラッカーとヘッドセット機能を搭載した、比較的シンプルなウェアラブルデバイスだ。Android Wearのような汎用プラットフォームを搭載しているわけではないので、アプリを追加したりはできない。

ZeWatch2

 ディスプレイは単色の有機ELで、常時表示ではなく、ボタンを押したときにのみ、時刻やステータスが表示される。左右側面にそれぞれ2個ずつのボタンがあり、それらで各種操作を行なう。

 アクティビティトラッカーとしての機能はオーソドックスで、歩数や睡眠などを記録できる。記録したデータはアプリ上で管理することが可能で、過去のデータを表示したり、目標の到達率を確認したりもできる。

左右の側面にはそれぞれ2個ずつボタンがある

 ZeWatch2はBluetoothヘッドセットとしての機能も搭載している。といっても、実際に耳に装着するのではなく、腕に装着したまま、ハンズフリー通話をするという形式だ。

 ZeWatch2にはマイクとスピーカーが内蔵されているが、スピーカーはけっこうパワーがあり、そこそこの音量で音声を鳴らしてくれる。聞きやすくて良いのだが、通話の内容が周囲に筒抜けになってしまうので、その点だけは注意しよう。

 あと、このZeWatch2、スマートフォンとは通話用ハンズフリー機器だけでなく、オーディオ機器のプロファイルでも接続している。そのため、接続中はビデオやゲームなどの音声もZeWatch2から出力される。

 ちょっと不思議な仕様だが、実はこの仕様、けっこう意味がある。というのも、各種アプリの通知音もZeWatch2から聞こえるようになるので、スマホをカバンの中などに入れっぱなしにしていても、通知に気がつきやすくなるのだ(スマホ側で設定変更も可能)。残念ながらZeWatch2のバイブとは連動してくれないので、周囲がうるさいところや音が出せないところでは使えないが、それでも実用性は高い。

充電は専用のクリップで挟むだけとわりと簡単

 ユニークなところとしては、音声コマンド機能が搭載されている。といっても、iOSのSiriなど、スマホ側の音声コマンド機能を利用するだけなので、ZeWatch2自体が音声を認識しているわけではないが、これがけっこう便利だったりする。

 iPhoneと接続しているとき、ZeWatch2の画面が点灯している状態で左下のボタンを長押しすると、音声コマンドの待ち受け状態となる。この状態で音声コマンドをZeWatch2に向かってしゃべると、iPhone側で処理され、Siriの回答結果がZeWatch2側のスピーカーで出力される。

 たとえばSiriに「明日の天気は?」と聞くと、iPhoneの画面上にも週間天気予報が表示されるが、音声でも「明日の天気は曇りでしょう」といった結果が返ってくるので、iPhoneの画面を見る必要はなく、iPhoneをカバンに入れっぱなしにしていても利用可能だ。メールなどはロック解除しないと表示できないが、「明日の予定は」と聞くと、予定の時刻や内容も読み上げることだってできる。

 ZeWatch2、機能的にはシンプルだが、iOSにおいては、Siriを使いこなせばかなり便利かつ実用的なデバイスと言える。Siriはイヤホンマイクのコントローラーボタン長押しでも使えるが、イヤホンよりも腕時計で、と思うならば、ZeWatch2は試しておくべきデバイスだ。

製品名販売元購入価格
ZeWatch2加賀ハイテック1万1990円

白根 雅彦