本日の一品

クラシカルで斬新なボトル入りインク“アイデリックブルー”

思い切り太い鉛筆のような外観のカランダッシュ社のボトルインク・ボックス

 筆記具の中でも極めて奥が深いのは鉛筆か万年筆だと筆者は以前から思っている。鉛筆は削り方や、10Hから10Bまである硬度を選ぶだけでもかなりの書き味の違いを楽しむことができる筆記文具の王様だ。

 同じく万年筆はメーカーやペン先の細さや太さ、ペン先に使用する素材の硬軟、筆記する時の角度、そして使用するインキの種類や色などによって極めて多様な世界を楽しめるステーショナリーのクイーンだ。

 世界中の筆記具メーカーからは既に様々なボトルに入ったインクやカートリッジが発売されている。筆者もそれほど多くは持っていない万年筆を楽しむために、万年筆本体に比べると比較的安価に手に入るボトルインクをいくつか購入している。

 今回、ご紹介するボトルインクは、スイスのカランダッシュ社が先ごろ発売した“クロマティクス インクレディブル カラーズ”(Chromatics INKredible Colors)と名付けられた逸品だ。

箱から出すと……なんと斜め座りするおかしなボトル

 発売中のカラーはプリズムから触発されたコスミックブラック、マグネティックブルー、アイデリックブルー、エレクトリックオレンジ、バイブラントグリーン、ウルトラバイオレット、オーガニックブラウン、ヒプノティックターコイズ、ディバインピンク、デリケートグリーン、インフィニットグレー、インフラレッドの全部で12色。

 その製造には、“色の科学”というカランダッシュ社の独自のノウハウが詰め込まれているらしい。筆者の購入したボトルは、“アイデリックブルー”と名付けられた鮮やかで明るいブルーだ。

 そして今回の新製品では、極めて特徴的なボトルデザインが採用されており容量も50mlと増量した。全体の形はカランダッシュのシンボルでもある六角形で、専用パッケージから取り出し、机上に置くとボトルは斜めになって自立する。

大きなシルバーのキャップは、シルバー系の万年筆とマッチする

 約70度の傾きのおかげで、シルバーに輝くキャップを捻じって蓋を開けることも、万年筆へのインクの補充も極めて安定度が高く、容易だ。机上で使うときのボトルは傾斜した体制だが、販売時の専用パッケージに収納すると直立するので、クロマティクス インクレディブル カラーズを複数色買い置いて、並べても重ねても、無駄な収納スペースを使うことのない合理的な設計だ。

インクボトルは価格的に万年筆よりハードルの低いコレクションアイテムだ

 最近は、各社から万年筆用の魅力的なボトルインクが続々と発売になるので、ついつい買ってしまうことが多い。もうすでに筆者の机の引き出しには一生かけても使い切れないほどのボトルインクが集まってしまった。

実際にクラシカルなイメージのパーカー万年筆に補充して使ってみた
筆者は明るいブルーが好きなので、アイデリックブルーはピッタリのカラーだ
製品名購入場所購入価格
クロマティクス インクレディブル カラーズ(アイデリックブルー)銀座伊東屋4320円

ゼロ・ハリ