本日の一品
見かけはチープだけど高価な“再生紙メモ帳”が流行りだ
(2014/12/8 06:00)
わざわざただし書きを書いた再生紙を使った名刺や会社のコピー用紙が真っ白じゃなくなったのはもうかなり昔の話だ。エコ度の表現とコスト削減のスケールメリットを享受できる関係で、大企業から始まった再生紙使用だが、昨今はごく普通のメモ用紙やノートにも通称わら半紙とかクラフト紙をメモ用紙として採用した商品が多い。
個人的には筆者も真っ白な紙より多少グレーやベージュがかった紙が好みなので、最近は再生紙を内部のメモや表紙に使った商品を買うことも多い。また、自分で廃棄対象となったクラフト紙を重ねて表紙を付けて、適当なサイズにカットし自分専用のメモ帳としても有効活用している。
先日筆者が購入したのは、「ADVENTURE JOURNAL」(アドベンチャージャーナル:“冒険日誌”)という風変わりな名前を冠したごく普通の再生メモ帳だ。実測したところサイズは134×171mmで厚さは10mmほど、版サイズ的にはB6版サイズに近いがかなりいい加減なサイズにカットされたメモ用紙だ。
表紙には少し分厚い再生紙が採用されており、内部の厚さ10mmほどのメモ帳をホチキス留め、黒の布テープでラフに背張りがされている。ホチキス留めの為にメモページの実際の筆記面積は幅が1ページあたり横幅で20mmほど損をしてしまう。
表紙には、センチとインチの定規や、星によるナビゲーション手順、分度器や度量衡変換テーブルなどが事前印刷されており、それがどうもアドベンチャージャーナルの名前の由来のようだ。
実は何よりの特徴は内部のメモ用紙にある。メモ用紙は最近ではあまり見かけることのなくなってきたコンピュータシステムの印刷フォーム(印刷用紙)だ。それも、実際にどこかの会社や個人が印刷済み用紙の再利用商品だ。
印刷済みのページを内側に折り込んで1ページとして使用している。そのため1ページは2枚分の用紙の厚さがあり、クッション性が良い感じがする。時には、何も書かれてないはずの裏側に誰かのメモや落書きがあって、それはそれでなかなか楽しい雰囲気のメモ帳だ。
驚くべきはこのメモ帳の販売価格が税込み1296円なのだ。なんと最近のAmazonならキャンパスノートが15冊も買えてしまうお値段。どうも昨今のノート事情は、大量消費型のノートと、滅多に書くことはないが、他人とカブらず、事務仕事の匂いがなく、格好良く持ち歩けるエコな雰囲気の再生ノート、そしてその中庸を行く少しデザインコンシャスなノートに三分化しているように思える。
極めて安い再生・再利用素材を使用し、手作り感満載のメモ帳を見つけたらきっと値段は高いに違いない。人工的チープなリッチなマインドの人が使う時代なのかもしれない。
製品名 | 購入場所 | 購入価格 |
---|---|---|
アドベンチャージャーナル | 銀座伊東屋(K.ITOYA) | 1296円 |