本日の一品

iPhoneの容量でお困りの人へ。手のひらサイズのワイヤレスストレージ

 最近ではスマートフォンでもデジタルカメラに負けないくらい美しい写真や動画が撮影できるようになったが、それに伴いファイル容量も大幅に増加しており、撮影済みの静止画や動画の管理に困っている人も多いことだろう。microSDカードで容量を増やすことができるAndroidはまだしも、内蔵ストレージしか使えないiPhoneではその悩みも大きく、筆者の周りでもiPhone 6は画面サイズや性能よりも128GBモデルがラインアップされたことを喜ぶ声も多い。

 スマートフォンのファイル管理にはオンラインストレージやNAS、パソコンへのバックアップなど、さまざまな手法がある中で、少々変わったアプローチを取っているのがサンディスクの「ワイヤレス・メディアドライブ」だ。本体は32GBのストレージを内蔵するほか、サンディスクならではのSDカードスロットを搭載。スマートフォンと無線LAN経由で接続することで、スマートフォンのファイルを保存したり、逆にワイヤレス・メディアドライブ内のファイルをスマートフォンからストリーミング再生することもできる。

ワイヤレス・メディアドライブ

 容量は公開されていないが最大8時間まで連続再生可能というバッテリーを内蔵し、単体で動作可能。NASのように自宅やオフィスのみでなく、外出先でも気軽にファイルのやり取りが可能だ。充電もUSBバスパワー対応のため、いざというときはモバイルバッテリーで動作することもできる。

本体前面に電源ボタン、側面にSDカードスロット。SDカードはSDXC対応で128GBまで利用できる
本体背面はmicroUSBポート
iPhone 5sとのサイズ比較

 操作もシンプルで、本体の電源を投入したのちに「SanDisk」から始まるアクセスポイントに接続し、その後に対応アプリを起動するだけ。アプリはiOS、Androidともに対応しており、パソコンからもブラウザ経由でアクセスできる。

 なお、初期状態でアクセスポイントは暗号化されていないが、一度ログインすればアクセスポイント名の変更やパスワードの設定も可能だ。また、仕様には公開されていないが、対応する無線LAN方式は2.4GHz帯のみで5GHz帯のIEEE 802.11aには非対応だった。

アプリのホーム画面
無線LAN設定は変更可能

 スマートフォンで撮影した4128×3096ピクセル、1枚あたり約4MBの写真を10枚まとめてワイヤレス・メディアドライブに保存したところ、20秒程度で保存が終了した。1枚当たり2秒程度で保存できており、インターネット経由でアップロードするよりも圧倒的に早い。

 保存したファイルは「ビデオ」「ミュージック」「写真」の3種類でストリーミング再生できるほか、フォルダ階層ごとアクセスすることも可能。動画や音楽、静止画やアプリ内で再生できるほか、ミュージックはアーティストやアルバム単位でソートでき、シャッフルやリピートなど一通りの再生機能を搭載している。

音楽再生画面
静止画
動画

 無線LAN経由のストリーミング再生ながらレスポンスは快適で、フルHDの動画も途切れることなく再生でき、先ほど保存した1枚4MBの写真も1秒程度の待ち時間で次々に再生できる。さすがに本体保存ほどのレスポンスではないものの、通常使用ではさほど困らないレベルだ。

 なお、ワイヤレス・メディアドライブとスマートフォンが接続している間は、無線LANの接続先がワイヤレス・メディアドライブになってしまうためインターネット接続ができなくなる。ただし、インターネットに接続できる無線LAN環境がある場合は、ワイヤレス・メディアドライブに無線LAN設定を行うことで、ワイヤレス・メディアドライブに接続しつつインターネットを利用することも可能だ。

無線LAN設定をおこなうことでワイヤレス・メディアドライブに接続しながらインターネットを利用することもできる

 Androidと違ってiPhoneは外部メディア非対応のため、ストレージ容量を増やすには別モデルに買い替えるしかないが、ワイヤレス・メディアドライブを使えばいつも持ち歩くファイル容量を大幅に増やすことができる。常にワイヤレス・メディアドライブを充電しなければいけない、本体保存のファイルにアクセスするよりは手間がかかるという課題はあるものの、優先度が低いファイルをワイヤレス・メディアドライブに保存しておくといった運用次第で、iPhoneでのファイル管理がより効率的にできそうだ。

 複数ユーザー接続に対応しており、最大8台の同時接続と最大5台の同時ストリーミングが可能。SDカードに保存した動画や写真をみんなで楽しむ、といった使い方にも向いている。家にパソコンがないがiPhoneの写真をバックアップしておきたい、というライトユーザーにもいいるだろう。機能の制限は多いが、利用シーンによっては非常に便利に使いこなせそうな1台だ。

製品名製造元価格
ワイヤレス・メディアドライブサンディスク1万7000円

甲斐祐樹