本日の一品

「薄いマネークリップ」と「小さい小銭入れ」でお財布をスリムに

「薄いマネークリップ」(左)と「小さい小銭入れ」(右)

 モバイル機器の携帯で増加しがちなバッグ重量と、ふくれがちなポケットを、ちょっと軽減できそうなアイテムをご紹介しよう。それは、abrAsus(アブラサス)の「薄いマネークリップ」と「小さい小銭入れ」である。

 「薄いマネークリップ」とは、お札10枚とカード5枚をスリムに携帯できるケース。まったく金属部品が使われておらず、たたんだときのサイズは89×95mmで、その厚さわずか6mm、重さは22g! フルに収納しても、厚さは11mmにしかならないという驚異的な薄さなのだ。

 よく見ると、無駄を省く小さな工夫に気づく。たとえば、左上に紙幣を固定できる「札抑え」を設けており、左下のカードポケットは、カードを入れやすいよう切れ込みがある。それぞれ独立した機能でありながら、二つ折りにしたとき革が重ならないようになっているのだから驚いてしまう。

さりげない工夫が薄さを実現
カード入れの後ろがお札入れ
カード5枚とお札を移してみた
切れ込みを押すとカードを出しやすい
これだけでよかったのか……とそのサイズ差に焦る

 「小さい小銭入れ」は、小銭入れとキーホルダーを兼ねる製品だ。開くと内側に開いたポケットが2つあり、そこに小銭とたたんだお札が入るようになっているほか、組ネジを使って、鍵を2本収納できる構造になっている。開ければお金が出てきて、スライドさせると鍵が現れるので、どちらとしても使えるというわけである。

「小さい小銭入れ」に小銭とお札を入れてみた
ネジは鍵を留めるためにある
ネジは革を挟むように取り付けられている
鍵は2本入る
触り心地は最高!

 小銭の収納力は500円玉1枚、100円玉4枚、50円玉1枚、10円玉4枚、5円玉1枚、1円玉4枚の合計15枚、999円分。もちろん金額が決まっているわけではないが、これだけそろえておけば、小銭が必要になったとき困ることはほぼないだろう、と考えられてのことらしい。

 「薄いマネークリップ」には小銭入れがないので、「小さい小銭入れ」と一緒に持つことで、お札、カード類、小銭、鍵を網羅できる。あとは携帯電話やスマートフォンとハンカチだけ持てれば困らないという方もいそうである。しかも、どちらも国産アンティックガラス牛革が使われており、表面はツヤツヤで、触ると病みつきになるほどすべすべだ。

お札、カード、小銭、鍵がこれだけで。カードが不要なら小銭入れだけでもでかけられる

 初めて触れたときは「お財布にこれほどのコンパクトさを求めるのは、やはり手ぶらが好きな男性なのかな。女性のお財布はみんなでかいしな」と思ったが、せっかくなので自分の巨大な財布から中身を「薄いマネークリップ」に移し替えてみた。カード類は厳選する必要はあったが、お札数枚、クレジットカード1枚、スーパーのポイントカード2枚、銀行のキャッシュカード1枚を入れてみた。

 続いて「小さい小銭入れ」のポケットには、小銭995円分の小銭と千円札1枚を入れ、鍵を2本収納。実は鍵は3本あったので、1本は外の二重リングに取り付け、バッグに固定しやすいようカラビナもつけてみた。中身の入った「小さい小銭入れ」は、とても握りやすく、一瞬にしてメインキーホルダーの座についてしまった。

 2つあわせてもたった40gである。中に入れるものの重さは別としても、自分が普段持ち歩いている財布や鍵などと比べると、そのコンパクトさにはただただビックリさせられてしまった。「必要なものがこんな小さなものに入ってしまった。普段のお財布はなんだったんだろう……(汗)」と思わざるを得なかった。入れているお金の量は変わらないのに、この差はなんだ(笑) してやられた気分である。「この財布高かったんだぞ!」と叫びたい気分にもなった。

 問題は使用感。特に自分としては、スーパーのレジでスピーディにお金とレシートの受け渡しができることが最重要ポイント。勇気を出して「薄いマネークリップ」と「小さい小銭入れ」だけででかけてみたところ、これが意外と使えてしまった。

 これまで何度かお札と小銭を分けるチャレンジをしたことがあるのだが、ことごとく失敗に終わっていた。お札の入った長財布を取り出して、ジッパーを開いてカードとお札を出し、再びジッパーを閉じてバッグに戻してから、今度は改めて小銭入れを取り出して小銭を出し、おつりでお札と小銭を受け取ったら再び……という操作が苦痛で、結局止めてしまったのだ。

 しかし、この2品を使ってみて原因が分かった。これまで小銭入れと分離できなかったのは、単純にもっていた長財布と小銭入れが大きすぎて、同時に握れなかったからなのだ。「薄いマネークリップ」と「小さい小銭入れ」の場合、両方同時に持てるだけでなく、開閉動作がとてもシンプル。これならお札が別でも大丈夫かも、と思えた。

 ただ、小銭があふれることがあるのと、お店のレジなどでお札の上にレシートと多めの小銭をのせてまとめて返されたときはアタフタしてしまった。これが混雑した時間帯のスーパーではちょっとしたストレスになる。そこで小銭用に小さな革のがま口財布をプラスするようになった。「薄いマネークリップ」と一緒に持てるサイズなので、口を開けてスタンバイしておけばいいらしい。

 極限まで無駄を省いたこのコンビは、当然荷物としても優しい。従来の長財布では存在感がありすぎる、もしくは入らないようなバッグでは、特に威力を発揮してくれる。お財布として自己主張がないところも安心要素なので、シーンに応じて使い分けると便利そうだ。(これまでのお財布高かったし!)

慌ただしい場面に備え、がま口の小銭入れを投入
目立たないお財布が嬉しい場面。小さいと収納の楽!

 バリューイノベーションの製品は、ブロガーズトート、ひらくPCバッグに続いて3品目となるが、つねに持ち物について考えさせられる要素を持っていて面白い。先に販売されていた「小さい財布 abrAsus レディース」まで気になり始めた筆者。お財布を増やす前に中身を“厚く”してから……と自分を戒めているのであった。

製品名製造元購入価格
薄いマネークリップabrAsus9800円
小さい小銭入れabrAsus5800円

すずまり