テーブルにくっついて倒れない不思議なマグカップ「マイティーマグ」

まさにアメリカンサイズといったパッケージ

筆者が購入したのはホワイト。ほかにもさまざまなカラーがある

　「ぶつかっても倒れないマグカップ」として一時期ネット上で話題になっていたのが、今回紹介する「マイティーマグ」だ。取っ手を握って持ち上げると軽々と持ち上がるが、テーブル上に置いた状態で横から力を加えて倒そうとしても、底面がテーブルに吸着して倒れないという触れ込みの製品だ。

　購入する前は、おそらく底面に吸盤めいたギミックがあり、置くとテーブルに吸着し、取っ手を握ると空気が入って外れるような仕組みではないかと予想していたのだが、底にあるのは「これは本当に吸盤だろうか」と疑いたくなる凹みだけで、ギュッと上から力を加えて吸着させる必要はない。それでいて、触れ込み通り、横から衝撃を加えても倒れず、取っ手を握って真上に持ち上げるとフッと離れる。じつに不思議な製品だ。

　いろいろ実験してみて分かったのは、ドリンクが入っている量によって、ずいぶんと特性が変化するということだ。中にドリンクがなみなみと注がれている状態では謳い文句に近い効果があるが、空に近い状態だと衝撃のかけ方によってはあっさり動いてしまう場合がある。また、ドリンクが大量に注がれた状態で衝撃を受けると、たとえマグカップ本体が倒れなくても、ドリンク自体が物理法則に則って飛び出しかねないので、フタが必須になる。このあたりはややクセがあるので、使う側で慣れる必要がある。

　吸着力はテーブルの表面加工にも影響されるほか、容量は500ml近いアメリカンサイズで、重量もそれなりにあるなど、ECサイトのユーザレビューでの評価が真っ二つに割れているのも理解できる製品だが、突発的な事故の何割かがこれで防げると考えれば、たしかに有用であることは間違いない。相性はそれなりにあることを理解した上で、量販店などで見かけることがあれば、手にとってチェックしてみてほしい。

底面はゴム系の素材なのだが、あからさまな吸盤というわけではなく、これで吸い付くのがじつに不思議

横方向からの力が加わった場合、テーブルに強力にくっついて倒れない。ドリンクがたくさん入っているほど効果が高くなる

取っ手をつかむなどして垂直方向に持ち上げるとかんたんにテーブルから離れる。とくに取っ手にレバーやボタンの類があるわけではない

CDとの面積比較。写真などから受ける印象よりもずっと大きく重い。目指す機能と現実的な仕様の折り合いをつけた結果が、このサイズと重さということなのだろう

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