持てあましているEvernoteをボイスメモでフル活用


「VoiceGATE」のパッケージ

 NTTドコモの一部のAndroid端末では、Evernoteアプリを起動するとプレミアム会員の権利が1年間無料で提供されるというキャンペーンがある。そんなおトクなキャンペーンを逃さず、2年間分ゲットしていたわたし。それなのに、いまいちEvernoteの有効な活用方法を見いだせないまま放置してしまい、残りのプレミアム期間はついに1年を切ってしまった! でも「VoiceGATE」によって、もしかすると月間転送量の1GB制限を突破するほどフル活用できるかもしれない、と思っている。

 今回紹介する「VoiceGATE」は、小型でシンプルなボイスレコーダー。液晶ディスプレイなどもなく、スイッチをオンにすれば録音開始、オフにすれば録音終了という単機能なものだ。USBメモリタイプなので、キャップを外してすぐにパソコンに接続でき、録音した音声データをパソコンにコピーして聞くことができる。しかし、「VoiceGATE」の特徴はそれだけではない。専用アプリケーションをインストールすると、USBで接続後、自動的に録音した音声データをEvernoteへ自動アップロードしてくれる仕組みになっているのだ。

 録音時は、内蔵のバッテリーで8時間ほど動作するため、丸一日外出で持ち歩いて録音するような使い方もOK。4GBのメモリサイズで計約60時間分録音できるので、容量不足を感じることはなさそう。なによりポケットにすっぽり収まるどころか、小さいうえに軽すぎて、落としても気づかないくらいのコンパクトさがそそる。そんな小ささではあるが、室内であれば数メートル離れたところでも十分に声が届き、逆に間近で話しても極端に音が割れるようなことがなく、実用上も全く問題ない。

 スイッチをオン・オフするたびに音声ファイルが1つずつ作られるので、断続的に録音するような使い方にはうってつけ。サイズが小さいこともあって、外を歩きながら、思いついたことをその場で声に出してログ的に残していく作家、あるいは頭脳派刑事や探偵(?)みたいな活用方法をさりげなく実践できるのもポイント。普通のボイスレコーダーを街中で使うのは目立つから恥ずかしい、というわたしのような人間にもぴったりなのである。また、ぱっと見は単なるUSBメモリなので、インタビュー時に目の前に置いても相手の大きな心理的負担になりにくいという、仕事柄わりと重宝する特徴が一番うれしい部分かもしれない。

 惜しむらくは、長時間の録音にあまり向かないところ。約8時間の録音が可能ではあるが、ビットレートが128kbpsということもあり、音声データのサイズがかなり大きくなる。さらに、Evernoteにアップロードするためのアプリケーションが自動で512kbpsに変換するので、アップロード後は単純計算で元の4倍のファイルサイズになってしまう。この変換機能によりスマートフォンなどからEvernoteにアクセスして直接再生できるというメリットもあるのだが、Evernoteでは1つのノートあたりのデータサイズに制限があるため、プレミアム会員でも13分間程度までの録音時間に止めておかなければならない。

 ただ、Evernoteにアップロードできないサイズの音声データであっても、パソコン上で扱えるので、それほど大きな問題ではないとも言える。どうしても長時間の音声データをアップロードしたいときは、他の変換用アプリケーションなどを使って手動で対応するのもいいだろう。個人的に改善してほしいところはありつつも、今のところ、日々のボイスメモはお手軽にEvernoteへ、会議やインタビューでは小型で相手に緊張を強いないお手軽ボイスレコーダーとして多方面に活躍中である。

【追記】
 2月2日にパソコン用アプリ「ENアップローダー」がアップデートされ、ファイルサイズを圧縮してアップロードする仕組みが搭載された。これにより、プレミアム会員は最長約100分の録音ファイルをアップロードできるようになっている。


見た目はコンパクトなUSBメモリ録音中を示すランプは、暗いところだと幻想的な感じ
アップロードした音声データはEvernoteアプリケーション上で整理されて表示手の中にすっかり隠れるので、街中で使ってもきっと恥ずかしくない!

 

製品名製造元購入価格
VoiceGATEリュウド3800円

 

 

(日沼諭史)

2012/2/7 06:00