エイジングが楽しみな大容量の名刺入れ


ウルバーノ ベルトカードケース

 2年ほど使い続けた名刺入れを買い換えた。これまで使っていたものは、そこそこ柔らかさは出てきたものの、コーナーの色落ちが激しくなってしまったからだ。赤い名刺入れだったので、深みのあるボルドーあたりに変わってくれたらと思ったのだが、期待した味が出るというよりは、塗装がはげたような見栄えになってしまった。残念!

 柔らかく、ツヤツヤになるまで使い込まれた名刺入れに憧れがあるため、今回はちょっと奮発して、イタリアの「ミネルヴァ・ボックス」という革が使われた、個性的なデザインの名刺入れ「ウルバーノ ベルトカードケース」(以下、ベルトカードケース)を選んでみた。

 名刺入れといえば、フラップがつるんとした、二つ折りのシンプルなデザインを思い浮かべるだろうが、この「ベルトカードケース」にはフラップを止めるベルトがついており、フラップを固定できるようになっているのだ。さらに、名刺入れ全体に、バッグに使われる太めのステッチがあしらわれているのもポイントで、それがカジュアルさとともに、他にはない存在感になっている。メンズ用でブラックとブラウンの2色があるが、ブラウンなら女性が持っても違和感はない。むしろ(赤などの)“甘さ”が苦手な人や、ありきたりなデザインを好まない人にはピッタリではないだろうか。

 マチがタップリあるため、収納できる名刺は70枚。うっかり名刺を補充し忘れた! なんて失敗はそう起こらないだろう。フラップ下には、いただいた名刺の収納ポケットも用意されている。ユニークなのは、裏側に「名刺止めホルダー」があること。いただいた名刺をのせる際、名刺の角を差し込んでホールドしようというわけだ。

 見た目も機能も少々個性的だが、使用されている革の香りも、これまたなんとも言えないほどいいのだ。なんでも1000年以上の歴史を誇る伝統製法で仕立てられたイタリアの革で、革同士をこすり合わせると「キュッ」と鳴き声を上げるのが特徴なのだとか。名刺入れ全体としては大ぶりに見えるが、革にオイルをたっぷり含んでいるので、手触りはソフトだ。

 以前使用していた名刺入れは、なかなか固さが抜けず、連続して名刺交換しなくてはいけないような場面では、スマートに名刺が取り出せないことも多くて難儀した。今回は革にしなやかさが加わるほどに、出しやすくなるだろうと推測。当初の予算よりもゼロが1桁多くなったが、後悔がゼロの名刺入れになってくれるに違いない。

ステッチが利いたデザイン裏側にはさりげなく注目されそうな「名刺止めホルダー」がついている
「名刺止めホルダー」に名刺を差し込む名刺はたっぷり70枚持ち歩ける。フラップの裏ポケットはない
いただいた名刺の収納ポケットも用意されている

 

製品名製造元購入価格
ウルバーノ ベルトカードケース土屋鞄製造所1万3000円

 




(すずまり)

2011/8/25 06:00